- 河野信子 編
- 〈執筆者〉西宮紘/石井出かず子/河野信子/能澤壽彦/奥田暁子/山下悦子/野村知子/河野裕子/山口康子/
重久幸子/青木愛子/松岡悦子/遠藤織枝
- A5上製 520頁
ISBN-13: 9784894340220
刊行日: 1995/9
日本女性史再考、高群逸枝と「アナール」の邂逅から誕生した女と男の関係史
前人未到の女性史の分野に金字塔を樹立した先駆者・高群逸枝と、新しい歴史学「アナール」の統合をめざし、男女80余名に及ぶ多彩な執筆陣が、原始・古代から現代まで、女と男の関係の歴史を表現する「新しい女性史」への挑戦。各巻100点余の豊富な図版・写真・文献リスト、人名・事項・地名索引、関連地図を収録。本文下段にはキーワードも配した、文字通りの新しい女性史のバイブル。
〈監修者〉鶴見和子/秋枝蕭子/岸本重陳/中内敏夫/永畑道子/中村桂子/波平恵美子/丸山照雄/宮田登
〈編集代表〉河野信子
目次
総序 (河野信子)
序 (河野信子)
Ⅰ ほとばしる観念と手業
1 縄文のシンボリズムと女たち (西宮紘)
2 ヒメの力――古代の鉄と女 (石井出かず子)
3 〈幕間〉女神の時空へ――幻想の初期性 (河野信子)
Ⅱ 関係存在の初期性
4 ヒメヒコ制の原型と他界観 (能澤壽彦)
5 王権と女性 (奥田暁子)
6 「父系母族」と双方社会論――可能性としての高群逸枝 (山下悦子)
〈拾遺篇〉 律令期 族制・婚制をめぐる問題点 (野村知子・河野裕子)
Ⅲ 感性の活力
7 万葉女流たちの心性と言語表現 (河野裕子)
8 説話文学にみる女性――『日本霊異記』『今昔物語集』を中心に (山口康子)
9 表象としての服飾 (重久幸子)
Ⅳ 女たちの基層への提言
10 魂を見守る人――アイヌのシャーマンは語る (語り・青木愛子/文・松岡悦子)
11 女性と文字――中国女文字の示唆するもの (遠藤織枝)
参考文献一覧/図表一覧/索引/地図
関連情報
歴史的カオスと呼べる仮説の渦のなか、縄文期から律令期(紀元前1万年頃から紀元後800年頃)まで1万年余りにわたる女と男の心性・社会関係・人間関係の複雑にもつれた糸を解きほぐす。土偶・土器に見る生死観と生命愛、ヒメヒコ制の対称と非対称、生産の手段と方法の変転、婚制と族制に関して絡み合う範疇、幻想界との濃密な関連、考古学・言語学など周辺科学の捲き込み、文字文化と言語文化の交錯などを通して、「ヒメとヒコの時代」が明らかになっていく。