- ピエール・ブルデュー 著
- 石井洋二郎 訳
- A5上製 320頁
ISBN-13: 9784894340305
刊行日: 1996/1
初の本格的文学・芸術論
作家・批評家・出版者・読者が織りなす象徴空間としての〈文学場〉の生成と構造を活写する、文芸批評をのりこえる「作品科学」の誕生宣言。好敵手デリダらとの共闘作業、「国際作家会議」への、著者の学的決意の迸る名品。
目次
第Ⅱ部 作品科学の基礎
1 方法の問題
新しい科学精神 文学的ドクサと客観化への抵抗 「本源的な投企」 、 創成神話 テルシーテースの視点と偽りの断絶 視点の空間 二者択一の乗り換え 客観化の主体を客観化する。
付録 全体知識人と思考の全能性の幻想
2 作者の視点 ――文化生産の場の全般的特性
権力場の中の文学場 ノモスと限界の問題 イルーシオとフェティッシュとしての芸術作品 位置、 性向、 立場決定 可能態の空間 構造と変化 ――内的闘争と永久革命 自己反省性と 「素朴さ」 需要の空間 内的闘争と外的裁定 2つの歴史の出会い 構築された軌道 ハビトゥスと可能態 位置と性向の弁証法 グループの形成と解体 制度の超越性 「フィクションの冒瀆的な分解」
付録 <場> の効果と保守主義の諸形式
第Ⅲ部 理解することを理解する
1 純粋美学の歴史的生成
本質分析と絶対の幻想 歴史的想起と抑圧されたものの回帰 芸術知覚の歴史的カテゴリー 純粋な読みの条件 無歴史主義の悲惨 二重の歴史化
2 眼の社会的生成
クワトロチェントの眼 カリスマ的幻想の根拠
3 読みの現実態理論
反省内包的な小説 読みの時間と時間の読み
ダ・カーポ 幻想とイルーシオ
追記 普遍の協同主義のために
原 注
訳者解説
概念索引
人名索引