プロローグ
回 生 ―― 新しい回路を開く
鶴見さんのリハビリテーションを通して考えたこと
河合隼雄
上田 敏
I パラダイム転換としての学問
第1章 『思想の科学』 から生活世界へ
―― 人々とともに学ぶ
日本の女性史に大きな足跡
加藤シヅエ
知の泉
見田宗介
天真自在の人
澤地久枝
「自己を含めた集団」 のことなど
―― 第一回作文教育全国協議会
綿引まさ
汚れた手拭と 「先生」
―― 四日市にもたらしたもの
澤井余志郎
紡績の娘たちと鶴見和子さん
―― 劇団活動の根を学ぶ
広渡常敏
「声なき声」 と和子さん
―― 六〇年安保から
小林トミ
「普通人」 への着目
―― 鶴見さんの一生を貫くもの
R・P・ドーア
第2章 プリンストン時代
―― 社会学と出会う
鶴見和子センセイ
M・J・リーヴィ・Jr
鶴見和子さんのこと
―― プリンストン初の女子大学院生
柳瀬睦男
「ないしょ話」
―― エコロジーとフェミニズムの2つの思想をめぐって
綿貫礼子
電撃的女学者
―― 日本的なものと普遍的なもの
R・A・モース
鶴見さんとリーヴィさんと私
中野 卓
溌刺として、端正な……
―― 姿・人となり・思考
石黒ひで
ツルミカズコ博士
―― ヴァッサー大学から半世紀を経て
C・F・ミュラー
第3章 「思想の冒険」 を求めて
―― 近代化論を再検討する
鶴見さんの一生は見事な 「論文」
R・P・ドーア
思想の冒険
武者小路公秀
上智大学国際関係研究所の鶴見和子先生
―― 「変革」 への小さな、 確実なつむじ風
三輪公忠
『思想の冒険』 のこと
―― 近代化論再検討研究会のなかで
山田慶兒
鶴見さんの魅力
中根千枝
学問のグローバル化
―― 鶴見和子のしごと
西川 潤
第4章 水俣・アニミズム・エコロジー
瞳という名の泉
石牟礼道子
最も遠いようで最も近いもの
―― アニミズムと現代科学
中村桂子
鶴見和子と水俣
―― 「賑わい神さん」
色川大吉
原始の力よみがえる、 和子先生
石牟礼道子
水俣での鶴見和子さん
土本典昭
輪廻転生の曼荼羅図
―― エントロピーとエコロジー
槌田 敦
与えつづける人
上野千鶴子
第5章 柳田国男と南方熊楠
曼荼羅は 「世界観」
河合隼雄
柳田国男から内発的発展論へ
赤坂憲雄
南方熊楠を呪縛から解いた鶴見さん
宮田 登
あらまほしき先達
―― 民俗学のコペルニクス的転換
櫻井徳太郎
「今回初めてやってみる」
―― 研究者鶴見さんの格闘
森岡清美
鶴見和子と南方曼陀羅
河合隼雄
南方熊楠の学縁
―― 南方熊楠賞と鶴見さん
上田正昭
「地球志向の比較学」 との出会い
―― 鶴見先生から与えられた啓示として
松居竜五
第6章 内発的発展論
中日文化交流に多大な貢献
費 考 通
内発的発展論の可能性
川勝平太
鶴見和子先生とともに編んだ 『内発的発展論』
川田 侃
鶴見和子・内発的発展・アニミズム
宇野重昭
高雅、 蓮の如き鶴見和子
―― 世界水準の学者の五つの品位
朱 通 華
鶴見さんの内発的発展論
―― 歴史的転換期における有効性
清成忠男
ハイテクとローテク“海洋牧場”
―― 内発的発展論と 「一村一品運動」
平松守彦
鶴見和子さんの思考の流儀
―― 自由な精神と妥協しない寛容さ
堤 清二
II 道楽を生きる
第1章 歌
折々のうた
大岡 信
アニミスト・鶴見和子
佐佐木幸網
「女書生」 の真骨頂
大岡 信
「心はいつも向日葵」 の鶴見さん
谷川健一
「おおらかな歌」
多田道太郎
歌集 『虹』 とそれ以後
近藤芳美
「生存の根」 に立つ
―― 月明、 藍色の回帰
永畑道子
「生きてゆくこと」 を感じさせる歌
―― 歌集 『回生』 序
佐佐木由幾
歌を思索の方法として
―― 歌集 『回生』
澤地久枝
生の回路、 ほとばしる言葉
道浦母都子
第2章 おどり
明朗で豊かな文化人
―― 品格を感じさせる鶴見さんの 「芸」
西山松之助
鶴見徳和子さんを写す
富山治夫
金沢の花柳徳和子さん
出島二郎
第3章 きもの
和子・日常の霊性
岡部伊都子
鶴見和子先生の 「皺」
―― 刻みこまれた思いの深さ
大石芳野
鶴見和子さんの 「内発」
―― 嵐の日の着物姿
加賀乙彦
着物道楽、 極道者、 鶴見和子先生
高坂制立
「萃点」 のひと
林 佳惠
和子さんときもの
寺井美奈子
第4章 映像
誰のものでもない和子さんの曼荼羅
―― 私の進路を決めたひとこと
高野悦子
鶴見和子先生と私
―― 常識を超えた深い意味を読みとる映像評
羽田澄子
三つの映像祭と鶴見先生
柳 治郎
エピローグ
弟の眼
鶴見俊輔
あとがき 鶴見和子
編集後記
初出一覧
執筆者紹介
鶴見和子プロフィール