- 河野信子 編
- 〈解説エッセイ〉三枝和子
〈執筆者〉西宮紘/石井出かず子/河野信子/能澤壽彦/奥田暁子/山下悦子/野村知子
- B6変並製 300頁
ISBN-13: 9784894341685
刊行日: 2000/3
日本女性史再考、高群逸枝と「アナール」の邂逅から誕生した女と男の関係史
前人未到の女性史の分野に金字塔を樹立した先駆者・高群逸枝と、新しい歴史学「アナール」の統合をめざし、男女80余名に及ぶ多彩な執筆陣が、原始・古代から現代まで、女と男の関係の歴史を表現する「新しい女性史」への挑戦。各巻100点余の豊富な図版・写真・文献リスト、人名・事項・地名索引、関連地図を収録。本文下段にはキーワードも配した、文字通りの新しい女性史のバイブル。
読者の手になじみやすくしたソフトカバー版。
各巻末に、『女と男の時空』の問題提起を受けて多ジャンルの作家や専門家が寄せた特別エッセイ「『女と男の時空』を読んで」を収録。
〈監修者〉鶴見和子/秋枝蕭子/岸本重陳/中内敏夫/永畑道子/中村桂子/波平恵美子/丸山照雄/宮田登
〈編集代表〉河野信子
目次
総序 (河野信子)
序 (河野信子)
Ⅰ ほとばしる観念と手業
1 縄文のシンボリズムと女たち (西宮紘)
2 ヒメの力――古代の鉄と女 (石井出かず子)
3 〈幕間〉女神の時空へ――幻想の初期性 (河野信子)
Ⅱ 関係存在の初期性
4 ヒメヒコ制の原型と他界観 (能澤壽彦)
5 王権と女性 (奥田暁子)
6 「父系母族」と双方社会論――可能性としての高群逸枝 (山下悦子)
〈拾遺篇〉 律令期 族制・婚制をめぐる問題点 (野村知子・河野裕子)
●『女と男の時空』を読んで 1
熱いメッセージが溢れ…… (三枝和子)
関連情報
歴史的カオスと呼べる仮説の渦のなか、縄文期から律令期(紀元前1万年頃から紀元後800年頃)まで1万年余りにわたる女と男の心性・社会関係・人間関係の複雑にもつれた糸を解きほぐす。土偶・土器に見る生死観と生命愛、ヒメヒコ制の対称と非対称、生産の手段と方法の変転、婚制と族制に関して絡み合う範疇、幻想界との濃密な関連、考古学・言語学など周辺科学の捲き込み、文字文化と言語文化の交錯などを通して、「ヒメとヒコの時代」が明らかになっていく。