- 河野信子 編
- 〈解説エッセイ〉関和彦
〈執筆者〉河野裕子/山口康子/重久幸子/青木愛子/松岡悦子/遠藤織枝
- B6変並製 272頁
ISBN-13: 9784894341692
刊行日: 2000/3
日本女性史再考、高群逸枝と「アナール」の邂逅から誕生した女と男の関係史
前人未到の女性史の分野に金字塔を樹立した先駆者・高群逸枝と、新しい歴史学「アナール」の統合をめざし、男女80余名に及ぶ多彩な執筆陣が、原始・古代から現代まで、女と男の関係の歴史を表現する「新しい女性史」への挑戦。各巻100点余の豊富な図版・写真・文献リスト、人名・事項・地名索引、関連地図を収録。本文下段にはキーワードも配した、文字通りの新しい女性史のバイブル。
読者の手になじみやすくしたソフトカバー版。
各巻末に、『女と男の時空』の問題提起を受けて多ジャンルの作家や専門家が寄せた特別エッセイ「『女と男の時空』を読んで」を収録。
〈監修者〉鶴見和子/秋枝蕭子/岸本重陳/中内敏夫/永畑道子/中村桂子/波平恵美子/丸山照雄/宮田登
〈編集代表〉河野信子
目次
Ⅲ 感性の活力
7 万葉女流たちの心性と言語表現 (河野裕子)
8 説話文学にみる女性――『日本霊異記』『今昔物語集』を中心に (山口康子)
9 表象としての服飾 (重久幸子)
Ⅳ 女たちの基層への提言
10 魂を見守る人――アイヌのシャーマンは語る (語り・青木愛子/文・松岡悦子)
11 女性と文字――中国女文字の示唆するもの (遠藤織枝)
参考文献一覧/図表一覧/索引/地図
●『女と男の時空』を読んで 2
古代の女の性――妊娠・悪阻考 (関和彦)
関連情報
歴史的カオスと呼べる仮説の渦のなか、縄文期から律令期(紀元前1万年頃から紀元後800年頃)まで1万年余りにわたる女と男の心性・社会関係・人間関係の複雑にもつれた糸を解きほぐす。土偶・土器に見る生死観と生命愛、ヒメヒコ制の対称と非対称、生産の手段と方法の変転、婚制と族制に関して絡み合う範疇、幻想界との濃密な関連、考古学・言語学など周辺科学の捲き込み、文字文化と言語文化の交錯などを通して、「ヒメとヒコの時代」が明らかになっていく。