- 伊東聖子・河野信子 編
- 〈解説エッセイ〉五味文彦
〈執筆者〉阿部泰郎/鈴鹿千代乃/津島佑子/藤井貞和/千野香織/池田忍/服藤早苗/明石一紀/田端泰子
- B6変並製 320頁
ISBN-13: 9784894341920
刊行日: 2000/9
日本女性史再考、高群逸枝と「アナール」の邂逅から誕生した女と男の関係史
前人未到の女性史の分野に金字塔を樹立した先駆者・高群逸枝と、新しい歴史学「アナール」の統合をめざし、男女80余名に及ぶ多彩な執筆陣が、原始・古代から現代まで、女と男の関係の歴史を表現する「新しい女性史」への挑戦。各巻100点余の豊富な図版・写真・文献リスト、人名・事項・地名索引、関連地図を収録。本文下段にはキーワードも配した、文字通りの新しい女性史のバイブル。
読者の手になじみやすくしたソフトカバー版。
各巻末に、『女と男の時空』の問題提起を受けて多ジャンルの作家や専門家が寄せた特別エッセイ「『女と男の時空』を読んで」を収録。
〈監修者〉鶴見和子/秋枝蕭子/岸本重陳/中内敏夫/永畑道子/中村桂子/波平恵美子/丸山照雄/宮田登
〈編集代表〉河野信子
目次
序 (伊東聖子・河野信子)
Ⅰ 表象への視線
1 〈聖なるもの〉と女性――トラン尼伝承の深層 (阿部泰郎)
2 遊女幻想 (鈴鹿千代乃)
3 王朝文学の女性 (津島佑子・藤井貞和)
4 嘲笑する絵画――「男衾三郎絵巻」にみるジェンダーとクラス (千野香織)
5 合戦絵の中の女性像――「性」を印された身体 (池田忍)
Ⅱ 関係存在の変容の過程
6 性愛の変容――中世成立期を中心に (服藤早苗)
7 鎌倉武士の「家」――父系集団から単独的イエへ (明石一紀)
8 中世前期における女性の財産権――家族・村落の中で (田端泰子)
●『女と男の時空』を読んで 3
今様の時空 (五味文彦)
関連情報
古代から中世前期といわれる時代――平安・鎌倉期。時代は「おんなとおとこの誕生」へと動いていく。それはたとえば、性愛の変容のなかに、鎌倉武士の「家」に、仏教文化の導入のなかに、絵画のなかの女性像に、それぞれの旋律をともなって発見されるだろう。とはいえ、その関係は必ずしも一方的なものではない。王朝文学に見られる男女関係や、庶民の女たちの姿は、そのことをよくあらわしている。両義性のなかで読み直す関係史。