- 伊東聖子・河野信子 編
- 〈解説エッセイ〉山本ひろ子
〈執筆者〉 梅村恵子/田沼眞弓/遠藤一/伊東聖子/河野信子
- B6変並製 286頁
ISBN-13: 9784894341937
刊行日: 2000/9
日本女性史再考、高群逸枝と「アナール」の邂逅から誕生した女と男の関係史
前人未到の女性史の分野に金字塔を樹立した先駆者・高群逸枝と、新しい歴史学「アナール」の統合をめざし、男女80余名に及ぶ多彩な執筆陣が、原始・古代から現代まで、女と男の関係の歴史を表現する「新しい女性史」への挑戦。各巻100点余の豊富な図版・写真・文献リスト、人名・事項・地名索引、関連地図を収録。本文下段にはキーワードも配した、文字通りの新しい女性史のバイブル。
読者の手になじみやすくしたソフトカバー版。
各巻末に、『女と男の時空』の問題提起を受けて多ジャンルの作家や専門家が寄せた特別エッセイ「『女と男の時空』を読んで」を収録。
〈監修者〉鶴見和子/秋枝蕭子/岸本重陳/中内敏夫/永畑道子/中村桂子/波平恵美子/丸山照雄/宮田登
〈編集代表〉河野信子
目次
Ⅱ 関係存在の変容の過程
9 天皇家における皇后の位置――中国と日本との比較 (梅村恵子)
Ⅲ 宗教のいとなみから
10 平安時代の内侍と祖先祭祀 (田沼眞弓)
11 十三世紀における妻と夫の宗教活動――親鸞の結婚説話「坊守縁起」の世界 (遠藤一)
12 密教系女神・その光と呪性――荼枳尼護法女神の両義性を中心に(伊東聖子・河野信子)
参考文献一覧/図表一覧/索引/地図
●『女と男の時空』を読んで 4
女人始祖の物語 (山本ひろ子)
関連情報
古代から中世前期といわれる時代――平安・鎌倉期。時代は「おんなとおとこの誕生」へと動いていく。それはたとえば、性愛の変容のなかに、鎌倉武士の「家」に、仏教文化の導入のなかに、絵画のなかの女性像に、それぞれの旋律をともなって発見されるだろう。とはいえ、その関係は必ずしも一方的なものではない。王朝文学に見られる男女関係や、庶民の女たちの姿は、そのことをよくあらわしている。両義性のなかで読み直す関係史。