- 岡野治子 編
- 〈解説エッセイ〉高山宏
〈執筆者〉小林千草/細川涼一/佐伯順子/田部光子/深野治
- B6変並製 280頁
ISBN-13: 9784894342019
刊行日: 2000/10
日本女性史再考、高群逸枝と「アナール」の邂逅から誕生した女と男の関係史
前人未到の女性史の分野に金字塔を樹立した先駆者・高群逸枝と、新しい歴史学「アナール」の統合をめざし、男女80余名に及ぶ多彩な執筆陣が、原始・古代から現代まで、女と男の関係の歴史を表現する「新しい女性史」への挑戦。各巻100点余の豊富な図版・写真・文献リスト、人名・事項・地名索引、関連地図を収録。本文下段にはキーワードも配した、文字通りの新しい女性史のバイブル。
読者の手になじみやすくしたソフトカバー版。
各巻末に、『女と男の時空』の問題提起を受けて多ジャンルの作家や専門家が寄せた特別エッセイ「『女と男の時空』を読んで」を収録。
〈監修者〉鶴見和子/秋枝蕭子/岸本重陳/中内敏夫/永畑道子/中村桂子/波平恵美子/丸山照雄/宮田登
〈編集代表〉河野信子
目次
Ⅱ 管理の規範と女性の生
8 女性の意識と女性語の形成――女房詞を中心に (小林千草)
Ⅲ 性と美と芸能における女性の足跡
9 中世の旅をする女性――宗教・芸能・交易 (細川涼一)
10 御伽草子における男女関係 (佐伯順子)
11 「やまと絵」の始まりは「女絵」だった (田部光子)
12 公卿唄幻視――九州山地に伝えられた流浪の詩 (深野治)
参考文献一覧/図表一覧/索引/地図
●『女と男の時空』を読んで 6
もっとタフなフェミニズムのために (高山宏)
関連情報
多くの次元で歴史の転機をなすといわれる中世(後期)、南北朝・室町・安土桃山期。女と男の関係についても、たとえば、高群逸枝が女性の地位の転落と捉えたような婚姻、財産権など管理の規範の変遷が見られてくる。ただここにも、階層ごとの両義性は存在する。さらに、女商人の活躍など多面的な切り口から「女と男の乱」の時代が浮き彫りにされていく。