- 福田光子 編
- 〈解説エッセイ〉吉原健一郎
〈執筆者〉浅野美和子/白戸満喜子/門玲子/高橋昌彦/寿岳章子/福田光子
- B6変並製 288頁
ISBN-13: 9784894342064
刊行日: 2000/11
日本女性史再考、高群逸枝と「アナール」の邂逅から誕生した女と男の関係史
前人未到の女性史の分野に金字塔を樹立した先駆者・高群逸枝と、新しい歴史学「アナール」の統合をめざし、男女80余名に及ぶ多彩な執筆陣が、原始・古代から現代まで、女と男の関係の歴史を表現する「新しい女性史」への挑戦。各巻100点余の豊富な図版・写真・文献リスト、人名・事項・地名索引、関連地図を収録。本文下段にはキーワードも配した、文字通りの新しい女性史のバイブル。
読者の手になじみやすくしたソフトカバー版。
各巻末に、『女と男の時空』の問題提起を受けて多ジャンルの作家や専門家が寄せた特別エッセイ「『女と男の時空』を読んで」を収録。
〈監修者〉鶴見和子/秋枝蕭子/岸本重陳/中内敏夫/永畑道子/中村桂子/波平恵美子/丸山照雄/宮田登
〈編集代表〉河野信子
目次
序 (福田光子)
Ⅰ 心性の諸相――宗教・文芸・教化
1 芸能における女性 (浅野美和子)
2 民衆宗教における女性 (浅野美和子)
3 江戸の出版にみる女性像――浮世絵師・渓斎英泉を中心に (白戸満喜子)
4 江戸女流文学史の試み (門玲子)
5 上杉鷹山の女子教訓――教化の諸相 (高橋昌彦)
6 ことわざと女性史 (寿岳章子)
Ⅱ 家・婚姻の基層
7 家と婚姻の基層を探る――第Ⅱ部のはじめに (福田光子)
●『女と男の時空』を読んで 7
江戸の性空間 (吉原健一郎)
関連情報
徳川幕府のもと、太平の世が続いたいわゆる江戸時代。身分制度秩序のなかで、女性の顔が見えにくい時代ともいわれる。自然の理として男女の役割が引き受けられて「家」意識は一般化、女訓書による女性教化が進む。しかし一方、これまでの歴史から抜け落ちてきた関係存在としての女と男を、民衆宗教や芸能に、江戸女流文学に見ることで「爛熟する女と男」の近世を描き出す。