- 福田光子 編
- 〈解説エッセイ〉山本博文
〈執筆者〉中野節子/金津日出美/島津良子/柳美代子/立浪澄子/荻迫喜代子/海保洋子
- B6変並製 328頁
ISBN-13: 9784894342071
刊行日: 2000/11
日本女性史再考、高群逸枝と「アナール」の邂逅から誕生した女と男の関係史
前人未到の女性史の分野に金字塔を樹立した先駆者・高群逸枝と、新しい歴史学「アナール」の統合をめざし、男女80余名に及ぶ多彩な執筆陣が、原始・古代から現代まで、女と男の関係の歴史を表現する「新しい女性史」への挑戦。各巻100点余の豊富な図版・写真・文献リスト、人名・事項・地名索引、関連地図を収録。本文下段にはキーワードも配した、文字通りの新しい女性史のバイブル。
読者の手になじみやすくしたソフトカバー版。
各巻末に、『女と男の時空』の問題提起を受けて多ジャンルの作家や専門家が寄せた特別エッセイ「『女と男の時空』を読んで」を収録。
〈監修者〉鶴見和子/秋枝蕭子/岸本重陳/中内敏夫/永畑道子/中村桂子/波平恵美子/丸山照雄/宮田登
〈編集代表〉河野信子
目次
Ⅱ 家・婚姻の基層
8 仮名草子にみる女性の家族と仕事 (中野節子)
9 「子返し・子まびき」論と婚姻規範 (金津日出美)
10 幕末期の婚姻と離婚――『全国民事慣例類集』の陳述より (島津良子)
Ⅲ 庶民生活に交錯する陰影と自在
11 女性の生活空間――各階層をめぐって (柳美代子)
12 近世捨子史考――加賀藩の事例を中心に (立浪澄子)
13 江戸時代の食文化 (荻迫喜代子)
14 アイヌ女性の心性 (海保洋子)
参考文献一覧/図表一覧/索引/地図
●『女と男の時空』を読んで 8
女と男のまなざしの位相 (山本博文)
関連情報
徳川幕府のもと、太平の世が続いたいわゆる江戸時代。身分制度秩序のなかで、女性の顔が見えにくい時代ともいわれる。自然の理として男女の役割が引き受けられて「家」意識は一般化、女訓書による女性教化が進む。しかし一方、これまでの歴史から抜け落ちてきた関係存在としての女と男を、民衆宗教や芸能に、江戸女流文学に見ることで「爛熟する女と男」の近世を描き出す。