- 山下悦子 編
- 〈解説エッセイ〉宮迫千鶴
〈執筆者〉森岡正博/小林亜子/山下悦子/中村桂子/小玉美意子
- B6変並製 278頁
ISBN-13: 9784894342163
刊行日: 2001/1
日本女性史再考、高群逸枝と「アナール」の邂逅から誕生した女と男の関係史
前人未到の女性史の分野に金字塔を樹立した先駆者・高群逸枝と、新しい歴史学「アナール」の統合をめざし、男女80余名に及ぶ多彩な執筆陣が、原始・古代から現代まで、女と男の関係の歴史を表現する「新しい女性史」への挑戦。各巻100点余の豊富な図版・写真・文献リスト、人名・事項・地名索引、関連地図を収録。本文下段にはキーワードも配した、文字通りの新しい女性史のバイブル。
読者の手になじみやすくしたソフトカバー版。
各巻末に、『女と男の時空』の問題提起を受けて多ジャンルの作家や専門家が寄せた特別エッセイ「『女と男の時空』を読んで」を収録。
〈監修者〉鶴見和子/秋枝蕭子/岸本重陳/中内敏夫/永畑道子/中村桂子/波平恵美子/丸山照雄/宮田登
〈編集代表〉河野信子
目次
序 (山下悦子)
Ⅰ セクシュアリティ・生命・テクノロジー
1 ウーマン・リブと生命倫理――1970年代優生保護法改悪反対運動の思想史的位置付け (森岡正博)
2 母と子をめぐる〈生の政治学〉――産婆から産科医へ、母乳から粉ミルクへ (小林亜子)
3 〈概括〉戦後買売春の歴史――性風俗と性意識の変容 (山下悦子)
4 〈幕間〉生命誌からみた女(メス)と男(オス) (中村桂子)
Ⅱ メディアと女性の表現
5 放送の女性史 (小玉美意子)
●『女と男の時空』を読んで 11
愛子ばばから学んだ「女性という自然」 (宮迫千鶴)
関連情報
戦後50年を女と男の関係史として描くことは可能か。本巻はこの難題に挑戦する。戦後を決定づけてきたともいえる、生命観、セクシュアリティの変容とテクノロジーの発達、マスメディアの飛躍的な膨張、住空間・宗教・老いの変容、そして労働・家族・教育をめぐってのたえざる性差の再生産。これらは現代を生きる女と男の関係をどう変えてきたのか。そこに見られるのは、すでに「溶解する女と男」の姿ではなかったか。21世紀の新しい女性史への地平はここからどうひらけるのか。