- 山下悦子 編
- 〈解説エッセイ〉樋口覚
〈執筆者〉平野恭子・池田恵美子/明石福子/島津友美子/高橋公子/中村恭子/宮坂靖子
- B6変並製 294頁
ISBN-13: 9784894342170
刊行日: 2001/1
日本女性史再考、高群逸枝と「アナール」の邂逅から誕生した女と男の関係史
前人未到の女性史の分野に金字塔を樹立した先駆者・高群逸枝と、新しい歴史学「アナール」の統合をめざし、男女80余名に及ぶ多彩な執筆陣が、原始・古代から現代まで、女と男の関係の歴史を表現する「新しい女性史」への挑戦。各巻100点余の豊富な図版・写真・文献リスト、人名・事項・地名索引、関連地図を収録。本文下段にはキーワードも配した、文字通りの新しい女性史のバイブル。
読者の手になじみやすくしたソフトカバー版。
各巻末に、『女と男の時空』の問題提起を受けて多ジャンルの作家や専門家が寄せた特別エッセイ「『女と男の時空』を読んで」を収録。
目次
Ⅱ メディアと女性の表現
6 新聞の女性史 (平野恭子・池田恵美子)
7 女性文学にとっての「戦後」 (明石福子)
8 国際社会で活躍する日本女性――アートを中心に (島津友美子)
Ⅲ 生活の変容――住空間・宗教・老い
9 生活空間の変化と女性――戦後住居の変遷から (高橋公子)
10 女性の自己実現と宗教 (中村恭子)
11向老期の誕生――老後問題のライフヒストリー (宮坂靖子)
●『女と男の時空』を読んで 12
武田泰淳と武田百合子夫婦の「二人三脚」 (樋口覚)
関連情報
戦後50年を女と男の関係史として描くことは可能か。本巻はこの難題に挑戦する。戦後を決定づけてきたともいえる、生命観、セクシュアリティの変容とテクノロジーの発達、マスメディアの飛躍的な膨張、住空間・宗教・老いの変容、そして労働・家族・教育をめぐってのたえざる性差の再生産。これらは現代を生きる女と男の関係をどう変えてきたのか。そこに見られるのは、すでに「溶解する女と男」の姿ではなかったか。21世紀の新しい女性史への地平はここからどうひらけるのか。