- 川勝平太 編
- A5上製 352頁
ISBN-13: 9784894343399
刊行日: 2003/5
「海から見た歴史」の視点から見えてくるこの500年の新しいアジア像
閉ざされた一国史的日本経済史と日本抜きの「東洋史」とを架橋し、陸のアジアから太平洋諸島を含む経済圏=「アジア太平洋経済圏」の密接な相互交通の500年の歴史を描き出す意欲作。
目次
序 海洋アジアのなかの日本
川勝平太
1 海洋アジア間競争
1 近世日本の銅輸出削減と朝鮮の銭荒
【近世における潜在的アジア間競争】
島田竜登
2 近世日本のラッコ皮輸出をめぐる国際競争
高橋 周
3 生糸をめぐる日中地域間競争と世界市場
【棲み分けと繭生糸品質との連関を中心に】
金子晋右
4 日本のアップランド綿栽培事業と日本紡績業の発展
辻智佐子
5 両大戦間期の中国砂糖市場をめぐるアジア間競争
久米高史
2 アジア太平洋経済圏
6 多角的貿易決済網の変質とアジア経済
四方田雅史
7 第一次大戦前の中国南部・東南アジア市場における通商情報網構築
中村宗悦
【香港における 「領事報告」 を中心に】
8 タイ米輸出とアジア間競争
【1920年代におけるタイ米の 「品質問題」 を中心に】
宮田敏之
9 西太平洋諸島の経済史
【海洋アジアと南洋群島の経済関係を中心にして】
松島泰勝
3 日本の社会科学とアジア
10 山田盛太郎の中国農業分析
武藤秀太郎
11 日中近代化と河上肇
三田剛史
補 中国語訳社会科学関連日本書籍群
【河上肇の著作が占める位置】
三田剛史
4 隣接領域からのコメント
12 アジア経済史の課題と方法
本野英一
13 ラッフルズの日本像
【国際システムの拡大との関連性を中心に】
ボアチ・ウリケル
14 アジア海域世界と西海
【ネットワーク時代の歴史的背景】
清水 元
15 ロシアにおけるアジア
【19世紀における 「アジア」 概念】
鈴木健夫
あとがき
執筆者紹介