- 海勢頭豊
- B5変並製 176ページ
ISBN-13: 9784894343443
刊行日: 2003/6
沖縄から日本をひらくために
沖縄の解放が、日本の解放である――沖縄に踏みとどまり、魂(MABUI)として生きる姿が、本島をはじめ、本土の多くの人々にも深い感銘を与えてきた伝説のミュージシャンの初の半生の物語。喪われた日本人の心の源流である沖縄の最も深い精神世界を初めて語り下ろす。
代表曲「月桃」「喜瀬武原」を収録したCD付。
目次
1 いま、 沖縄から見えること
沖縄の戦後のなかでの音楽活動
コザ暴動事件から 「喜瀬武原」へ
消費される沖縄
物質文明とは異なる新しい価値を
沖縄への差別、 沖縄からの逆差別
現実対応路線はすでに 「非現実的」 である
沖縄という 「宝」 の価値に気づくために
2 歩んできた道
平安座島に生まれて
複雑な大家族のなかで
遊ぶのが大好きだった
身近にあった戦争と死
曾祖母ヒイプープーパーパーの死
感性を育んだ平安座という環境
ギターとの出会い
死の疑似体験
アメリカが 「解放者」 だった頃
沖縄の日本復帰と保守化
ギターを通して世界が見えた
ゼロ・イコール無限大
音楽と生物と
母性への尊敬
ライブハウス 「パピリオン」 という場で
沖縄オリジナルのオペラを創る
「真振」 とは何か
罪を覆い隠す宗教、 歴史
3 沖縄から日本をひらく
桃源郷としての沖縄へ
古代の沖縄と日本の関係
生命のリズムのなかで
何もないところに何もかもがある
沖縄に伝えられる、宗教を超えた精神世界
神が与えてくれた人間の 「弱さ」
幼い頃、 ユタが語ってくれたこと
沖縄独立論を超えて
沖縄が伝える平和の心を本土へ
閉ざされた歴史をひらくために
絶対平和を求めて
補 沖縄の音楽とその現状
―― 差別と被差別の視点から
あとがき
海勢頭豊略年譜
CD歌詞