- 岡部伊都子
- 解説・水原紫苑
- 四六上製カバー装 224ページ
ISBN-13: 9784894344365
刊行日: 2005/2
随筆家・岡部伊都子の原点!
みわたすかぎりやわらかなぐれいの雲の波のつづくなかに、ほっかり、ほっかり、うかびあがる山のいただき、山上で朝を迎えるたびに、大地が雲のようにうごめき、峰は親しい人めいて心によりそう。・・・・・・(本文より)
■「我が世をば」「何か常なる」「風さわぐ」「心とむなと」・・・・・・古人の作品からの引用句を素材に、そこから掘り起こした人間の情念のあわいに踏み込む「いまをかなしむ言葉」。
目次
うねびををしと
『万葉集』 天智天皇
我が世をば
『伊勢物語』 在原行平
おとにきく
『小倉百人一首』 祐子内親王家紀伊
萌出るも
『平家物語』 衹王
誰かとどめし
『源氏物語』 浮舟
今はとて
『竹取物語』 赫映姫
人越えやすき
『枕草子』 藤原行成
何か常なる
『古今和歌集』 読人しらず
風さわぐ
『新古今和歌集』 慈円
見るよしもがな
『金槐和歌集』 源実朝
心とむなと
『新古今和歌集』 江口の君
行く人なしに
『笈日記』 松尾芭蕉
旧版あとがき
追ってがき
[解説]少女性の放胆 水原紫苑