- 岡部伊都子
- 解説・道浦母都子
- 四六上製カバー装 240ページ
ISBN-13: 9784894344495
刊行日: 2005/05
随筆家・岡部伊都子の原点!
つくづくと思う。老いはたしかに、いのちの四苦のひとつである。日々、音たてて老いてゆくこの実感のかなしさ。・・・・・・なんと人びとの心は強いのだろう。かつても、現在も、数えようもないおびただしい人びとが、同じこの憂鬱と向き合い、耐え、闘って生きてきた、いや、生きているのだ。
■「善信尼」「皇極天皇」「持統天皇」他、京都・奈良にゆかりのある古代の女たちの足跡をたどり、確とした自我をもち生きてきた姿を描く。
目次
やまとの女人
善信尼
(574 ― 年、 飛鳥時代の尼)
橘大郎女
( ― 年、 聖徳太子の妃)
皇極天皇
(594 ―611年・天智・天武の母)
持統天皇
(645―702年、 天智天皇の皇女)
大伯皇女
(611―701年、 天武天皇の皇女)
元明天皇
(611―721年、 天智天皇の第四皇女)
橘三千代
( ―733年、 天武・持統・文武・元明・元正に任えた女官)
吉備内親王
( ―729年、 草壁皇子の皇女)
貧しき女王
(『日本国現報善悪霊異記』)
入水の采女
(『大和物語』 より 「ならの帝につかうまつる采女」)
称徳天皇
(718―770年、 聖武天皇の皇女)
井上内親王
(717―775年、 光仁天皇の皇后)
女人の京
高野新笠陵
(桓武天皇母・高野新笠)
白川・金色院跡
(藤原頼通の女・寛子)
法金剛院
(待賢門院璋子)
鳥羽の恋塚
(源渡の妻・袈裟御前)
安楽寺
(尼僧・松虫 / 鈴虫)
千本釈迦堂
(棟梁長井高次の妻・おかめ)
宝鏡寺
(日野富子)
淀城跡
(豊臣秀吉の側室・おちゃちゃ)
島原
(吉野大夫)
泉涌寺
(東福門院和子 / 明正天皇)
真葛原
(池大雅の妻・池玉瀾)
神光院
(蓮月尼)
旧版あとがき
追ってがき
[解説] 「はんなり」 と 「強靭」 と 道浦母都子