- 小倉孝誠・宮下志朗編
- A5上製 344ページ
ISBN-13: 9784894344563
刊行日: 2005/6
文豪ゾラの現代性を描く、初の成果。
科学技術、資本主義、女性、身体、都市と大衆・・・・・・二十世紀に軋轢を生じさせる様々な問題を、十九世紀に既に濃密な物語に仕立て上げていたゾラの真の魅力を、日仏第一線の執筆陣が協力して描いた記念碑的成果。
コルバン、アギュロン、ペロー、ミットラン、ノワレ、朝比奈弘治、稲賀繁美、荻野アンナ、柏木隆雄、金森修、工藤庸子、高山宏、野崎歓。
目次
甦るゾラ ―― まえがきにかえて
小倉孝誠
第1章●歴史
歴史家から見たゾラ
アラン・コルバン (小倉孝誠訳)
ゾラという名の共和主義者
モーリス・アギュロン (宮下志朗訳)
マリアとマリアンヌ
―― 宗教社会学としての『ルルド』
工藤庸子
第2章●科学
自然主義と 「モダン・スタイル」
アンリ・ミットラン (小倉孝誠訳)
ゾラ、 機械のイマージュと神話
ジャック・ノワレ (岑村傑訳)
仮想の遺伝学
金森 修
第3章●女性
『ルルド』 から 『真実』 まで
―― 第三のゾラにおける女性たち
ミシェル・ペロー (宮下志朗訳)
ゾラにおける女・身体・ジェンダー
小倉孝誠
第4章●視覚文化
慧眼と蹉跌
―― ゾラは絵画に裏切られたのか
稲賀繁美
百貨と胃袋
―― ゾラ・ヴィジュエル
高山 宏
ゾラの後継者としてのジャン・ルノワール
―― 『女優ナナ』 をめぐって
野崎 歓
第5章●都市
記憶のありかをめぐって
―― 『ルーゴン=マッカール叢書』 おける人・モノ・場所
朝比奈弘治
ゾラのパリを訪ねて
―― 『居酒屋』 から 『愛の一ページ』 へ
宮下志朗
第6章●間テクスト性
ゾラの名は、 ラブレー
荻野アンナ
ゾラ、 紅葉、 荷風
―― 明治文学の間テクスト性
柏木隆雄
ゾラのいろいろな読み方
―― あとがきにかえて
宮下志朗
〈年譜〉 ゾラとその時代
執筆者紹介