- 頼富本宏+鶴見和子 著
- B6変上製 200頁 カラー口絵8頁
ISBN-13: 9784894344631
刊行日: 2005/7
「曼荼羅」を社会モデルとすることは可能か?
南方熊楠の思想を「曼荼羅」として読み解いた鶴見和子と、密教学の第一人者・頼富本宏。数の論理、力の論理を超え、異文化の共生を尊ぶ「曼荼羅の思想」の可能性に向け徹底討論。
目次
曼荼羅の思想
頼富本宏
南方熊楠の曼荼羅論
鶴見和子
第1場 曼荼羅は静的か動的か
―― 土宜法龍と南方熊楠
曼荼羅は静的か動的か
土宜法龍と南方熊楠の奇縁
ヨーロッパの仏教学と熊楠
熊楠が歩いた那智の原生林
第2場 「閉じられた曼荼羅」 から 「開かれた曼荼羅」 へ
曼荼羅研究をより展開するために
聖空間としての 「閉じられた曼荼羅」
聖なるものと結びつく三つの要素 ―― 身体・心・言葉
南方熊楠による 「開かれた曼荼羅」
第3場 曼荼羅の秘める創造性
曼荼羅の柔軟性 ―― 交替性と平等性
曼荼羅の基本としての五大
カオスとしての曼荼羅 ―― 循環と交互性
曼荼羅は消滅を必要とする
「南方曼荼羅」 をどう読むか
心は変化する ―― ユングの曼荼羅
集中力 ―― 創造の手法としての曼荼羅
曼荼羅と踊り
自然のリズムと身体の連動
第4場 曼荼羅による新しい共生のモデル
多宗教を取り込んだインド仏教の曼荼羅
宗教を超えた普遍的なもの ―― 祈りと霊性
立体曼荼羅から 「液体曼荼羅」 へ
「棲み分け」 と 「交替性」
曼荼羅の思想とエコロジー
永遠不滅でないことの尊さ
曼荼羅の論理による社会変動論
曼荼羅 ―― 偶然と必然
「あとがき」 にかえて
頼富本宏
あとがき
鶴見和子