- 金時鐘 著
- 解説対談=鶴見俊輔+金時鐘
- A5上製 392頁
ISBN-13: 9784894344686
刊行日: 2005/8
詩は人間を描きだすもの
1973年2月を期して消滅した大阪の在日朝鮮人集落「猪飼野」をめぐる連作詩『猪飼野詩集』、80年5月の光州事件を悼む激情の詩集『光州詩片』の二冊を集成。
目次
Ⅰ 猪飼野詩集
見えない町
うた ひとつ
うた ふたつ
うた またひとつ
寒ぼら
日日の深みで(一)
日日の深みで(二)
朝鮮辛報――この届くことのない対話
朝鮮瓦報――この置き去られる遺産
イカイノ トケビ
日日の深みで(三)
果てる在日(一)
果てる在日(二)
果てる在日(三)
果てる在日(四)
果てる在日(五)
いぶる
夏がくる
影にかげる
それでも その日が すべての日
イルボン サリ
夜
へだてる風景
朝までの貌
〈跋〉言葉の元手 (安岡章太郎)
あとがき
Ⅱ光州詩片
Ⅰ
風
ほつれ
遠雷
まだあるとすれば
火
崖
Ⅱ
褪せる時のなか
この深い空の底を
骨
窓
噤む言葉――朴寛鉉に
囚
浅い通夜
冥福を祈るな
Ⅲ
そうして、今
三年
距離
狂う寓意
めぐりにめぐって
心へ
日々よ、愛うすきそこひの闇よ
〈解説〉「光州事態」と「在日」 (三木卓)
あとがき
Ⅲ 〈対談〉戦後文学と在日文学
「抒情が批評である」
言葉は移民によってもたらされる
国語なんて迷妄
戦後文学と在日文学
〈補〉鏡としての金時鐘 (辻井喬)
日本の詩への、私のラブコール (金時鐘)
あとがき