- 坂本多加雄 著
- 序=粕谷一希
編集・解題=杉原志啓
- A5上製クロスカバー装 680頁 口絵2頁
ISBN-13: 9784894344778
刊行日: 2005/10
急逝した気鋭の思想史家の遺稿集成
「日本政治思想史研究」を学問として成立させた丸山真男を受け継ぎ、この学問の新たな領野を切り開いた坂本多加雄。秀逸の丸山論、福沢論を始め、近代日本思想史の豊かな遺産を現代に甦らせた諸論考と、「言葉」を手がかりに大正以来の思想史を初めて一望してみせた『知識人』を収録。
[月報]北岡伸一/御厨貴/猪木武徳/東谷暁
目次
奇 縁 ―― 序にかえて (粕谷一希)
第一部 日本政治思想史の研究
第1章 政治思想とは何か
「日本政治思想史」 という専攻
福地源一郎の政治思想
征韓論の政治哲学
第2章 福沢諭吉の 「文明」 と 「痩我慢」
福沢諭吉と 「交易の主義」
福沢諭吉における 「文明」 と 「瘠我慢」 のあいだ
福沢諭吉と 「伝統的なるもの」
福沢諭吉 「脱亜論」 をどう読むか
福沢諭吉の 「人間の安心法」
第3章 近代と日本
山路愛山と明治という時代
日本近代化と宗教
東アジアとキリスト教文明
徳富蘇峰
―― 戦前・戦後を通底するものを求めて
吉野作造の 「民本主義」
第4章 丸山眞男と知識人
丸山眞男と 「日本政治思想史」 という学問
丸山眞男の二面性
―― 「戦後知識人」 と 「学問研究者」
丸山眞男をどう捉えるか
「知識人」 は再生するか
「戦後知識人」 とは何か
第二部 知識人
―― 大正・昭和精神史断章
はじめに
序 章 「知識人」 という問題
第1章 「不死」 と 「永遠」
第2章 「理想」 と 「現実」
第3章 「民衆」 と 「政治」
第4章 「歴史」 と 「自由」
第5章 「思想」 と 「思想以前」
第6章 「平和」 と 「民主主義」
第7章 「知識人」 と 「大衆」
第8章 「思想」 と 「言葉」
終 章 「知識人」 の終焉?
あとがき
『知識人』 引用・参照文献リスト
初出一覧
解 題 (杉原志啓)