ジャック・ル=ゴフ
池田健二・菅沼潤訳
四六上製 304ページ
ISBN-13: 9784894345218
刊行日: 2006/6
西洋文明の根幹は「身体」にある!
ミシュレ、モース、アドルノ、フーコーなど、従来の身体史の成果と限界を踏まえ、「現在の原型である」中世の重要性を説き、「身体」に多大な関心を示し、これを称揚すると同時に抑圧した、西洋中世キリスト教文明のダイナミズムの核心に迫る!
【カラー口絵8頁 】
目次
はじめに ―― 出来事としての身体
序 ―― 身体史の先駆者たち
ジュール・ミシュレ ―― 魔女と身体 マルセル・モース ―― 身体の技術
ノルベルト・エリアス ―― 身体の文明化 歴史学と身体 ―― マルク・ブ
ロックの遺産 ホルクマイヤーとアドルノ ―― 身体と西洋の野蛮 ミシェ
ル・フーコー ――「生の権力」 の下での身体 その他の先行研究 なぜ
中性の身体か 身体の歴史と現在
I 四旬節と謝肉祭の闘い ―― 西洋のダイナミズム
大いなる無欲
精液と血液のタブー 性、 さげすむべきもの 理論と実践
抑圧の起源 ―― 古代後期 大転換の担い手、 キリスト教
支配される女 聖痕と鞭打ち 精進と肉食
身体の反抗
謝肉祭と異教文化 石の蛇と柳の竜 労働 ―― 苦役と創造の間で
涙の恩恵 笑いをまじめに考える 監視される夢
II 生と死
人生の道のり
人生の年代 「彼らは寝たのだろうか」 ついに、 子供の誕生
老人の威厳と意地悪さ
病と医
ペスト ―― 突然の野蛮な死 癩病 ―― 魂の病 「適正な配合」
と四体液説 友なる体 尿と血液 ガノレスの仮面の下で
スコラ医学の限界 救済社会 体を開く 死者と死にゆく者
死にゆく者の聖務日課 死者たちの存在 あの世の身体
III 身体の文明化
食道楽と美食
食習慣の2つの道 2つの食生活、 2つの文化の出会い 良いマナー
身体の演出
裸体か着衣か 女の美、 エバかマリアか 入浴 身ぶりの文明
身体の諸相
異形 スポーツ?
IV メタファーとしての身体
身体メタファー ―― 人間=小宇宙
心臓 ―― 錯乱する身体 頭 ―― 統率機能 肝臓 ―― 偉大なる敗者
手 ―― 両義的な道具
その政治的使用
メネニウス・アグリッパの寓話 頭か心臓か 目が頭にあるごとく
国家は1つの体である 揺らぐ頭の支配 頭は足の上に 王と聖人
都市の身体
結び ―― ゆるやかな歴史
訳者あとがき
原 注
文献一覧
人名索引