序 文
人類学的決定論と人間の自由 / 性急さと暴力性 / 二つの科学的誤謬
第三惑星 ――家族構造とイデオロギー・システム
序 章 民主主義と人類学
政治学の無力 / 社会民主主義、 イスラム、 ヒンズー、 その他 / 仮説 ――多様な家族構造 / 自由と平等 / 精神分析の貢献 / 忘れられた兄弟 / 家族の自動再生産 / 人間関係、社会関係 / ゲネプロ ――フランス革命 / トックヴィルの誤謬 / 諸国民の協同 / 一般的方法
第1章 七つの家族類型
近親相姦 / 共同体家族と近親相姦の禁止の緩和 ――内婚制 / 共同体家族と非対称的な婚姻 / 権威主義家族と近親相姦の禁止の緩和 / 核家族と近親相姦の禁止の緩和 ――アノミー型 / アフリカ ――家族集団の不安定性 / 七つの家族類型と自由 / 不平等と非対称性 / 世界地図
第2章 共同体型
自発的な解体 / ロシア女性 / ロシアの急進主義、 中国の穏健主義 / 神殺しの欲望 / 歴史の終焉 / キューバの神秘 / 自殺の人類学 / 隠れた規律 / キューバの共同体家族 / 共産主義の選挙地理学 / ニヴェルネ地方、 トスカーナ地方、 フィンランド / エミリア地方、 アレンテジョ地方、 プロヴァンス地方 / インド問題 / 女嬰児の間引き / 住みかの外での共産主義 / 家族の三行訓 / 臨界量
第3章 権威主義型
普遍の拒否 / 細分化 / 反ユダヤ主義 ――不可視な差異を求めて / 非対称性と無秩序 / 時間的な軸 / 不平等の希求 / 女性の権威 / 矛盾と緊張 / 権威と正当化 / 投票行動の硬直性 / 政党間の非対称性 / 反例 ――デンマークとオランダ / 政治的テーマ / 天上の官僚制と地上の官僚制 / 概念上の明確化 / 転向 ――カトリシズムから社会主義へ (結婚年齢) / スウェーデン、 ノルウェー、 オーストリア ――社会主義の時代 / フランス / 日本における逆転した歴史 ――社会主義から仏教へ / 性と政治 / 不安 / 母殺し / 怪物の産出
第4章 二つの個人主義
根無し草化 / 禁じられた全体主義 ――クロムウェルとロベスピエール / 労働者の反秩序 / 共産主義秩序に抗するポーランド / 経済的な無規律 / 自由に抗する平等 / フェミニズムとマチズム / 新世界 ――結婚モデルの変化 / アノミーへ向けて / 教会抜きの軍 / ラテンの普遍主義 / フランス個人主義の凋落 / スペインのフランコ主義 ――軍事独裁とカトリシズム / イタリア ――ファシズム、 カトリシズム、 コミュニズム / ヨーロッパにおける個人主義の凋落 / エチオピアとスーダン ――流行現象としてのマルクス・レーニン主義 / アングロ・サクソン世界と普遍の学習 / ソビエトとアメリカの競争
第5章 内婚制型
コーランの両義性 / 地中海の分割 / 中東以外のイスラム / 赤いイスラム / ブラック・アフリカのイスラム / 中核の均質性 / 人間関係の水平性 / イスラム女性 ――肉体の保護と社会的な否認 / 国家に抗する内婚制 / 国家機構なき社会主義 / 社会主義の定義 / 原理主義と結婚年齢 / イスラム以後
第6章 非対称型
単純な構造と複雑な構造 / インド南部の重要性 / 外婚制プラス内婚制 / 二つの人種主義家族類型 / 吸収と分離 / 輪廻の論理 / 女性主義と成長 / 草の根のコミュニズム / ケララ ――母系制とコミュニズム / セイロン ――表現し難いものへ向けて
第7章 アノミー型
近親相姦と社会構造 / 地理学 / 階級内の内婚制 / 古代の政治システムの脆弱さ / 文化的な活性力 / 政治的な両義性 ――個人主義と共同体主義 / 中立主義 / 家族の構造と人格の構造 / 仏教とアノミー / 政治におけるアモック / インドネシア ――抹殺されたコミュニストたち / カンボジア ――共産主義から大量殺戮へ
第8章 アフリカ型
一夫多妻制 / 父不在の世界? / 識字化の遅れ / 軍事政権
結 論 偶 然
世界の幼少期 ――家族構造と成長
序 章 成長への文化的アプローチ
経済主義以前の社会諸科学 ――成長のヴィジョン / 進歩の概念に無関心な経済学 / 成長の異なるリズムと諸文明
第Ⅰ部 家族構造と識字化
第1章 一つの人類学モデル
結婚年齢と識字化 / 女性の役割 / 権威主義の二つの水準 / 女性主義の三つの水準 / 組み合わせと類型 / 過去の社会学モデル / 構造的な一致と伝播 / 近年の人類学的要素の顕在化
第2章 ヨーロッパ
三つの革命 / 結婚年齢と識字率 / 中心と伝播 / フランスの識字化 / 解釈 ――家族構造 / 双系制と縦型 ――権威主義的な家族システム / 成長なき権威主義家族 ――アイルランド、 ポルトガル北部、 スペイン北部、 フランス南西部 / 権威主義家族と結婚年齢 / 統計資料の不在の原理 / 西欧の核家族 ――二つのヴァリアント / イングランドの切り札と産業革命 / 平等主義核家族 ――伝播した地域 / なぜヨーロッパなのか? / 権威主義家族と歴史の誕生 ――イスラエル / 人類学上の不動性が歴史の運動をつくる
第3章 ロシア
文化的なテイクオフ / バルト海沿岸からの伝播の波 / 国家の不在 / 共同体家族の構造 / 潜在的な母系制 / スカンジナヴィアの結婚モデル
第4章 第三世界のテイクオフ ――東アジアとアメリカのインディオ
女性の結婚年齢 / アジア / インディオ・アメリカ
第5章 2000年の第三世界 ――イスラム、 インド北部、 アフリカ
女性の地位 ――3つの極限ケース / イスラムとインド北部 / アフリカ
第Ⅱ部 近代性の諸次元 ――識字化の社会的帰結
第6章 政治的近代性
ストーンの仮説 ――識字化と革命 / 一般的な検証 ――20世紀の諸危機 / イデオロギーの時期と内容 / 来るべき歴史
第7章 人口動態上の近代性
識字化と人口動態上の移行期 / 結婚年齢と出生率 / 識字化と受胎調節、 通底する一般的一致と地域差 ――東南アジアとラテン・アメリカ / インド南部 / 国内の格差 ――インドネシア、 中国、 フランス / 宗教的要因
第8章 経済的近代性
都市化なき成長 / 2100年の経済成長地図 / 労働の集約度と人口の稠密度
結 論
経済政策と歴史の動き
巻末附録 1 1970 ―― 1980年代における第三世界の統計データ
巻末附録 2 1930年代におけるヨーロッパの統計データ
原 注
参考文献
図表一覧
訳者解説 「多様性と歴史性」