フランソワ・アルトーグ
伊藤綾=訳・解説
四六上製 392ページ
ISBN-13: 9784894346635
刊行日: 2008/12
今日、歴史をめぐってなされた、最も刺激的で徹底的な思索。
「記憶」と「遺産」というキーワード。そこに君臨する、現在主義とは何か?
「歴史」とは何か?それはいかにあるか?
歴史学・古典学・文学・人類学など諸学を横断し、「世界遺産」や環境問題など今日的トピックまでをも視野に収めつつ描かれた、「歴史」の歴史。現代社会の時間秩序=「歴史」の体制たる「現在主義」の本質に迫る!
目次
日本語版への序文
序 章 時の秩序・「歴史」 の体制
裂け目 / 太平洋からベルリンへ / 普遍史 / 「歴史」 の体制
第1部 時の秩序1
第1章 歴史の諸島
英雄的体制 / 神話から出来事へ / 誤解の作用 ――出来事から神話へ /
人類学と 「時間」 の諸形式
第2章 オデュッセウスとアウグスティヌス ――涙から瞑想へ
毎日が最初の日 / オデュッセウスの涙 / セイレーンと忘却 /
オデュッセウスはアウグスティヌスを読まなかった
第3章 シャトーブリアン ――「歴史」 の旧体制と新体制のあいだで
若きシャトーブリアンの旅 / 「人生の教訓的歴史」 / アメリカの荷物ケース /
時間経験 / 旅行の時間と 『アメリカ旅行』 における時間 / 廃墟
第2部 時の秩序2
第4章 記憶・歴史・現在
近代体制の危機 / 現在主義の勃興 / 現在の断層 / 記憶と歴史 / 国 史 /
記念行事を行う / 『記憶の場』 という契機
第5章 遺産と現在
遺産という観念の歴史 / 古代人たち / ローマ / フランス革命 / 普遍化にむけて /
環境の時間=時代
結 論 二重の負債、 あるいは現在の現在主義
追 記
原 注
訳者解説