- 丹野さきら
- 四六上製 336ページ
ISBN-13: 9784894346680
刊行日: 2009/01
第3回河上肇賞奨励賞受賞作品
「女性史家」高群逸枝というレッテルは正当か?従来看過されてきた「アナーキズム論」と「恋愛論」という高群の原点を大胆に読み直し、アーレント、バトラーらフェミニズム・歴史学の最先端の問題意識への接続を果たした、気鋭の野心的力作!
目次
はじめに 高群逸枝再読
第1章 時間意識
〈歴史〉 批判者としての高群逸枝
1 〈歴史〉 への挽歌
1 瞬間の悦楽
2 歴史学者の資格証明
2 史実性という鉄鎖
1 母系制の症候学
2 年代のないユートピア
3 反 〈歴史〉 的古代研究
――高群逸枝と折口信夫
1 つまどい / まれびとの饗宴論
2 世代史の寸断
3 両性具有の怪物
第2章 アナーキズム
革命と戦争の暴力
1 革命を待ちながら
1 自治社会というユートピア
2 日付のない革命
3 時間の創設者 (タイム・オーサー)
2 「アナーキスト高群」 の虚像と実像
1 異端の旗
2 地図にない道
3 自治の実践
4 自己への配慮
3 真理を狩る戦士
1 「転向はなかった」
2 まつりの三幅対 (トリプティク)
第3章 恋愛論
人類のカタストロフ、 あるいはカタルシスの夢
1 『恋愛創生』 の素顔
1 ジ・エンド・オブ・シンビオシス
2 細胞の夢
2 母性主義者の宴のあと
1 跳梁する 「人類」
2 笑う犬儒 (キュニコイ) 派
3 「子は親から生れない」
終 章 真珠採りの肖像
1 〈歴史〉 の誘惑
2 高群の 「病跡学 (パトグラフィ)」
3 サイレント・アクション
あとがき
高群逸枝関連年譜 (1894~1968)
注
参考文献
人名索引