- ワシーリー・モロジャコフ 著
- 木村汎 訳
- 四六上製 288頁
ISBN-13: 9784894346840
刊行日: 2009/5
ロシア側新資料を駆使した初の日露関係史
“地政学的隣人”としてのロシア/ソ連と、日本はいかなる関係を築くべきか?満鉄総裁として、またシベリア出兵、ヨッフェ招聘、漁業交渉、スターリン会談などを通じて、一貫してロシア/ソ連との関係を重視し、日英同盟のオルタナティブを模索し続けた後藤新平の、日露関係に果たした役割を初めて明かす、俊英による注目作。
目次
まえがき
第1章 満鉄総裁、 ペテルブルクを訪問
――友好のはじまり
「鉄道帝国主義」 の時代
満州鉄道と初代総裁
後藤のロシア観
合意と協力の志向
ペテルブルク訪問
訪問の成果
第2章 日露両帝国の同盟に向けて
──経済から政治へ
ハルビンにおける悲劇的事件
ロシア大使との交渉
満州諸鉄道の中立化 ――案に反対した日本とロシア
「中国の騒乱」
桂と後藤の訪露
「大正政変」 と日露関係
第3章 第一次世界大戦の試練
――同盟と同盟者たち
第一次世界大戦前夜とその勃発
日英同盟への反対
同盟の締結 ――次に何を?
日本、 ロシア、 それに……ドイツを加えるのか?
寺内内閣
第4章 シベリア出兵と後藤外交
シベリア出兵 ──親露派と嫌露派
新外務大臣とその計画
アメリカ・ファクターと日本の決断
アルカディー・ペトロフの訪日
後藤の大失敗?
第5章 日ソ友好への後藤・ヨッフェ交渉
――「極東のラッパロ」 への道
政治的休憩
難しいはじまり
日露の 「パワー・ゲーム」
実務的交渉の困難
疑問と期待
東郷茂徳のコメント
第6章 「赤いロシア」 との協力
――コースの模索
後藤、 チチェーリン外相に問う
カラハン大使、 後藤に回答
チチェーリン外相からの遅滞した返事
日ソ基本条約と新しい期待
「田中外交」 とソ連
第7章 死を賭した最後の訪露
――スターリンなどソ連指導者たちとの対話
モスクワにおける会談
漁業協約問題
中国問題 ――「満川亀太郎メモ」
後藤─スターリン交渉
訪問の成果
ボリシェヴィキ、 後藤を偲ぶ
解 説
注
参考文献
人名索引
関連情報
第21回「アジア・太平洋賞」大賞受賞!
アジア太平洋地域に関する優れた本を著した研究者らに贈られる第21回アジア・太平洋賞の大賞に、『後藤新平と日露関係史』が選ばれました!