開米潤
四六上製 448ページ
ISBN-13: 9784894347045
刊行日: 2009/9
生誕110年、没後20年記念出版
真の国際人、初の評伝。
「友人関係が私の情報網です」-1936年西安事件の世界的スクープ、日中和平運動の推進など、戦前・戦中の激動の時代、国内外にわたる信頼関係に基づいて活躍、戦後は国際文化会館の創立・運営者として「日本人」の国際的な信頼回復のために身を捧げた真の国際人の初の評伝!
目次
序 章 今、 なぜ、 松本重治なのか
公職追放
「四等国」 の再出発
日本人の 「生き様」 を考え続ける
第1章 少年時代
「臥薪嘗胆」
関西財界の大立者
祖父が身代限りで神戸に移住
第2章 青春の日々
神戸一中のスパルタ教育
「お前は書かれる側の人間になれ」
嘉治隆一との出会い
一高時代
内村鑑三の聖書講義
大正デモクラシー
先鋭化した民衆運動
第3章 ふたりの 「巨人」
アメリカ時代の到来
東部の名門、 イェール大学に合格
信念の歴史家
「日米関係の核心は中国問題である」
ビーアドと後藤新平
朝河貫一と日露戦争
歴史学は熱なき光
第4章 太平洋の架け橋
ILOパリ会議
太平洋会議
新渡戸稲造の教え
「武士道」 と太平洋の橋
第1回日米交換教授
国際連盟事務局次長
新聞記者になる
第5章 西安事件のスクープ
“魔都” 上海
日本料理屋 「新月」 の夜
運命の兵諫
西安事件とはなんだったのか
“不抵抗将軍”
スクープの偶然と必然
「西安事件」 その後
第6章 日中和平運動
南京陥落
「爾後国民政府を対手にせず」
知日派外交官の挫折
影佐大佐の手紙
香港の誓い
松本・高会談と近衛内閣の改造
松本重治が示した 「撤兵」 案
第7章 消えた 「撤兵」 の2文字
高宗武の来日
松本重治・梅思平会談
「日日調整」 と東亜新秩序
重光堂会談
日本の裏切り
第8章 平和の行方
岩永裕吉の死
「革命家」 汪兆銘
傀儡の末路
近衛文麿と松岡洋右
松本重治を駐米大使に起用
戦争に至る道 ――日独伊三国同盟
終 章 オールド・リベラリスト
ルーズベルトの死
近衛文麿、 幻の 「訪ソ」
「戦争責任」
日米交流の礎、 国際文化会館の創設
リベラリスト
「アメリカは即刻、 ベトナムから撤退すべき」
夏目漱石の「 自己本位」
「時代遅れ」
松本イズムの系譜の行方
あとがき
松本重治 関連年譜 (1899~1989)
松本重治 関連系図
人名索引