- 河﨑充代 著
- 四六上製 256頁
ISBN-13: 9784894347083
刊行日: 2009/12
後藤新平の晩年を支えた“無償の愛”
生涯現役を貫き、多くの偉業を成し遂げた後藤新平の晩年を支え続けたひとりの女性、きみ。決して表に出ない存在として、慎み深く、誇り高く、ただひたすらに愛する人に尽くしたその生涯を初めて明らかにした問題作。
目次
まえがき
序 永別のとき ――後藤新平逝く
大礼服姿の少年団総長
新平、 車中で倒れる
きみ、 急遽京都へ
病状は予断を許さず
新平ついに逝く
1 新平との出会い
きみの生まれ育ち
ひとつきょうだいにふたつの苗字
花柳界へ
新橋の桃千代
新平とめぐり合う
2 子供たちの誕生
三郎の誕生と別れ
きみの教育
兵衛の誕生
新平、 第一次大戦後の欧米を視察
新平の手帳に記された武蔵の誕生
松子と多満子の誕生
清と小五郎の誕生
兵衛、 新平との思い出
京都での武蔵と松子
親と名乗らずとも
旅先での新平との思い出
武蔵と松子、 宇治へ転校
御大典
3 麻布桜田町の新平邸の一画
屋敷に入っては
「私がそうしたかったから」
きみ、 ついに、 後藤家へ
後藤家の家事見習いの記憶
活気あふれる後藤家
「閣下は毎日、 歌舞伎役者の早変わりのよう」
初勢お姉ぇさま形見の着物
4 新平、 晩年の仕事と死 ――少年団・政治の倫理化運動・ソ連訪問
ボーイスカウト活動
晩年の人づくり
最後のソ連訪問と別れ
5 新平死後のきみと子供たち
わが子を養子に迎える
きみを支える五奉行
武蔵と松子を迎える準備
三田綱町でのクリスマス
きみの教育方針
阿佐ヶ谷の新居
阿佐ヶ谷に集う人々
小五郎の転校
きみの支え
長男、 兵衛の苦悩
武蔵の替え玉事件
武蔵と松子、 きみの下へ
武蔵、 上海へ
武蔵、 中国単独行
武蔵、 桐生へ
御本家の意向
それぞれの旅立ち
6 太平洋戦争下の河﨑家
太平洋戦争に突入
きみの疎開生活
戦時中の食糧事情
武蔵、 海軍予備学生に
松子、 きみの下へ
子供たちの幸運
7 河﨑家の戦後の生活
終戦を迎えて
武蔵、 安東での潜伏
武蔵の帰国
孫の誕生
松子、 新宿ガーデンを手伝う
新宿のお家
戦後を生きる息子、 娘たち
8 きみの死
きみとの同居
きみのもてなし
「おじい様は、 本当に立派な方」
きみの身だしなみ
長年の願い叶う
人前で誉めない、 叱らない
きみの身じまい
きみとの別れ
あとがき
[附録] 新聞で見る後藤新平、 倒れてから死去まで(1929・4・5~14)
河崎きみ関連年譜(1896~1971)
人名索引