- 澁澤幸子
- 四六並製 248ページ
ISBN-13: 9784894347229
刊行日: 2009/12
“ヨーロッパとアジアのかけ橋”イスタンブールから、
世界の民族問題を考える!
歴史的多民族都市のおもしろさを、 著者自らの体験を織りまぜながら、 あざやかに描き出す。
現地写真多数!
目次
1 だから、 イスタンブールはおもしろい
中央アジアから来たトルコ人は10パーセントか
三代前はわからない
追放されたユダヤ人を招いたスルタン
親衛隊もハーレムの美女も
東から西からやってくる人々
トルコ人に家系を尋ねてみると……
民族のモザイク地帯
ミックス・カルチャーの居酒屋街
異教徒たちが集った19世紀の食堂街
オスマン末期のガラタ橋は……
2 最大マイノリティだったギリシア人はいま……
「私たちはルム」 と言うギリシア人
イスラム教徒と結婚したギリシア女性
フェネルとギリシア正教総主教座
オスマン時代のフェネリオットたち
黒い門扉が語る悲劇の歴史
?住民交換? という強制移住
3 500年前、 スルタンに招かれたユダヤ人たち
「イスラエル人とユダヤ人は違う」
ユダヤ人居住区だったバラット
ほとんどはスペイン系のセファルディム
半世紀前のユダヤ人一家の選択
オスマン帝国でユダヤ人が果たした役割
ガラタ塔周辺に残るユダヤ人の足跡
4 近くて遠い隣国のアルメニア人たち
アルメニア共和国は独立したが……
オスマン時代のアルメニア人の活躍
アルメニア人の町クムカプの暴動
?アルメニア人大虐殺? をめぐる論争
ジャーナリスト、 H・ディンク氏暗殺事件
アルメニアとの国交正常化はなるか
5 コーカサスから、 黒海の彼方から、 人々は来た
ラズ人の町アルハヴィで
ラズ人はコルキス人の末裔か
コーカサスの北から来たチェルケス人
アゼリーと呼ばれるアゼルバイジャン人
トルコにはアブハズ人の村もある
ロシア革命後に来たロシア人
ウクライナから来た美女スヴェトラーナ
6 バルカンからも人々は来た
ボスニア人を祖先とするトルコ人
故郷ボスニアを想いつづけた大宰相
?アルバニア人の村? のアルバニア人
オスマンに反逆したアルバニア人たち
聖ステファン教会とブルガリア人
ムスリム・ブルガリア人 「ポマック」
亡命ポーランド人の村、 いまも健在
ガガウス人と呼ばれるトルコ人
7 「ほんとのトルコ人」 と言われるタタール人
ゼイティンブルヌは ?タタール世界?
ウイグル料理店の主人の想い
「東トルキスタン」 独立をめざす人々
新疆ウイグル自治区の騒乱に抗議するトルコ
8 ビザンティン時代からいたロマ
イスタンブールの熊使い
テントに住むロマも今は昔
ロマの民家取り壊し計画進行中
復活したロマの初夏祭
9 マイノリティ (少数民族) とは言えないクルド人
大都会へ出てきたクルド人たち
クルド差別はあるか
クルド人は分離独立を望んでいるか
テロリスト集団PKKはいま
10 アレヴィという自由主義者たち
モスクに行かない、 断食もしないイスラム教徒
異端視された時代もあったが……
11 大昔から隣人であり、 好敵手だったアラブ人
アラブ語しか話せないトルコ人も
あとがき
〈付〉 イスタンブール略年表