橋本五郎
四六上製 344ページ
ISBN-13: 9784894347250
刊行日: 2010/1
当代随一のジャーナリストによる名コラムの数々
親しみやすい語り口と明快な解説で人気の“ゴローさん”が、約10年にわたって書き綴ってきた名コラムを初集成。
短期的な政治解説にながされず、常に幅広く歴史と書物に叡智を求めながら、「政治の役割とは何か」を深く、やわらかく問いかける。
目次
まえがき ――私のジャーナリスト論
1 範は歴史にあり
外交指導者とは ――遥かなるベヴィンと陸奥
政治家の心得 ――身ヲ鴻毛ノ軽キニ置ケ
議論の本位とは ――有道者は患いに備える
国益を考える ――恐るべきは 「天」 なり
政治の英知 ――ナポレオンの遺骸返還
寒中見舞い ――辛酸を経て磨かれる志
指導者の条件 ――「燃える情熱」 があるか
バークを読む ――信念の政治家であれ
東大寺の大仏 ――政治とは鎮魂にあり
共産党と 「資本論」 ――もはや 「常備薬」 でない?
国家を経営する ――出でよ平成の後藤新平
番匠五原則 ――「武士道」 の自衛隊たれ
「大和」 撃沈60年 ――「国家の干城」 の生と死
米欧回覧実記 ――維新の使命感を再び
女子硬式野球 ――大学リーグの誕生、 夢見て
ポスト小泉に捧ぐ ――偉大なるコンパスたれ
モンテーニュを読む ――「エセー」 と安倍首相
諭吉は何を思う ――「非常の勇力」 はいずこに
国民投票法案成立へ ――「抵抗の憲法学」 を超えて
人材を 「簡抜」 せよ ――後藤新平 「御親兵一割の損」 の教え
「老子」 を読む ――「禍福倚伏」 は政治にも
陸奥宗光とケネディ ――他策なかりしを信ぜむ
遥かなる 「海軍の精神」 ――「国を守る」 ということ
大塚久雄に学ぶ ――倫理なき者は滅びる
岩倉使節団に学ぶ ――英名を四方に宣揚せよ
風雪に耐える ――万年筆も 「真珠婚」
歴史は繰り返すか ――慶應義塾と政権交代
一海知義先生に学ぶ ――「踏襲」 はなぜ間違いか
「二世社会」への警告 ――大義を解す才子たれ
今に生きる福澤諭吉 ――人倫の大本は夫婦なり
真の忠誠とは ――「諫争」 はいずこに
2 現代政治を読む
「にもかかわらず」 の罪 ――政治とイメージ
楠田實日記 ――「知性」 は山のあなたか
更迭と逆襲と ――神々は細部に宿る
橋本内閣の二の舞い説 ――歴史は繰り返す、 か
首相の心の平安 ――CDを捨て街に出よう
世代交代の虚実 ――いつまで 「二人酒」 か
真夏の夜の夢 ――「任怨」 の政治家、 出よ
外交四原則 ――北朝鮮には総力戦で
指導者の不在 ――「意志」 が国家動かす
政界、 はや啓蟄 ――「斗の人」 は要らない
小泉首相の 「米支持」 ――「他策ナカリシ」 説明せよ
小泉流の政治 ――したたかに 二歩進んでは 一歩さがる
リーダーの品格 ――悲しき毒まんじゅう
民主党のこれから ――年末に騒ぐ男じゃったのう
小沢新代表に望む ――どう超える、四「ない」政治
黒子の心得 ――「匿名への情熱」 いずこ
沖縄で民主を思う ――小渕恵三の 「宿命と運命と使命」
ポスト小泉 ――明眼の人をはづべし
小泉包囲網の虚実 ――「謀りごと」 は迫力が命
小泉流二元論の是非 ――葬式に来なくていい
宴の後 ――「300まつり」の落とし穴
老師の一喝 ――世直しの担い手めざせ
日本外交の再生 ――チャーチルとバーリン
政治と建築 ――前川國男の雨漏りを修繕する心
光と影の検証 ――輓馬の如くひたむきに
ポスト小泉の条件 ――わがために仏を作るな
「若害」 論を超えて ――若者は悪魔を見抜けぬか
自民総裁選 さまざまな戦略 ――「鵜匠型」 に陥穽ないか
指導者責任を考える ――国を誤ることなかれ
拝啓 福田康夫様 ――耐え難き 「ふるさと崩壊」
総裁選に望む ――一燈提げ暗夜行く気概
家計簿のリアリズム ――ミネルヴァの梟は飛ぶか
歴史の教訓 ――「300祭り」 と 「小沢支配」
「性善説」 の危うさ ――「友愛」 と 「友敵」 の間
3 あの人・この人 ――同時代を生きて
母なるものを考える ――「馥郁たる強さ」 に本当の姿がある
父なるものを考える ――シートンの父はソクラテスの妻か
謙虚さの政治 ――藤波孝生の 「白秋」 に生きる幸せ
死をめぐる断想 ――サラ・ブライトマンに送られたい
妻を恋うる歌 ――「あの日に帰りたい」 と思う切なさ
年初に考える ――「切り抜き」 と年賀状と人生と
作家になった話 ――誤解されるのもまた楽しからずや
岡義武に学ぶ ――自国史への 「節度ある愛」
ブルドーザーの遺言 ――「毅然として生きよ」
凛冽さと 「熱願冷諦」 と ――鶴見和子・吉村昭・関嘉彦
高坂正堯の魅力 ――「精神の真空」 どう埋める
60代の 「青春」 を生きる ――佐治敬三の激励
22歳まで日本人でした ――李登輝氏に見る 「政治家の品格」
私にとっての宮沢喜一 ――遥かなる 「思慮の人」
書は人なり ――河上肇、 饅頭を恋うる切なさ
藤波孝生さんを偲ぶ ――木斛のように生きたい
惜福と分福と植福と ――幸田露伴三代の教え
独立自尊の神髄 ――教育者としての石川忠雄
拝啓 川村二郎様 ――冥府からご覧下さい
「歴史の法廷」 に立つ気概 ――榎本武揚から考える 「真の痩せ我慢」
追悼 永井陽之助 ――政治は可能性のアート
母なるもの ――天に 「見る目・聴く耳」
父なるもの ―― 「早く嫁に行け」 は落第か
小西甚一という碩学 ―― 「鬱然たる学殖」 の結晶
あとがき
初出一覧