- 菊大並製 432ページ
ISBN-13: 9784894347519
刊行日: 2010/07
新しい時代に向けてトータルな知の総合を企図する学芸総合誌
4月21日、多田富雄さんが逝去された。享年76。国際的免疫学者であると共に、2001年春、脳梗塞で斃れ、構音・嚥下障害に苦しむ中で、左手の指一本でキーボードを打ちながら、現代人が忘れかけている魂の言葉を紡ぎだされた。最晩年は、リハビリ診療報酬改定批判、「自然科学とリベラルアーツを統合する会(INSLA)」創設など、これまでの活動とは一線を画す偉大な仕事をされた。多田さんが遺された文章と90余人の国内外の方々の寄稿で多田富雄氏の世界に迫った。
目次
● 〈特集〉 多田富雄の世界
多田富雄のことば
詩 「歌占」
「ネクタイを捨てよう ――学会報告・第2回国際免疫学会議 (英・ブライトン) 」
「科学技術競争の彼方 ――若手研究者への手紙」
「山姥の声―― 『邂逅』 あとがき」
「INSLAを通じて」
詩 「新しい赦しの国」
「風姿・多田富雄」 (写真 / 文) 宮田 均
「孤城」 石牟礼道子
「 『多田富雄を偲ぶ会』 に寄せて」 石坂公成 / 岸本忠三 / 村上陽一郎
「多田富雄さんを偲ぶ」
浅見真州 / 有馬稲子 / 安藤元雄 / 磯崎 新 / アラン・ド・ヴェック / 大倉源次郎 /
大倉正之助 / 奥村 康 / 加賀乙彦 / 笠井賢一 / 木崎さと子 / 公文俊平 / 櫻間金記 /
清水寛二 / 白洲信哉 / 新川和江 / 関根祥六 / 谷口 克 / 冨岡玖夫 / 永田和宏 /
中村桂子 / 野村万作 / 細田満和子 / 堀 文子 / 真野響子 / 安田 登 /
柳澤桂子 / 山折哲雄 ほか90人
「父のこと」 多田久里守 / 「臨終の記」 多田式江
追悼記事 (日 本 / アメリカ)
主要著作一覧
多田富雄作新作能上演記録 (1991 - 2009)
多田富雄 略年譜 (1934 - 2010)
「琉球自治共和国連邦」 独立宣言
「琉球自治共和国連邦」 独立宣言 (全 文)
今、 なぜ琉球の独立か 松島泰勝
● 寄 稿
「沈黙の春」 の再来か 【ネオニコチノイド系農薬の恐怖】 今野時雄
甦る民の魂 【J・ミシュレと石牟礼道子をつなぐもの】 大野一道
日中友好と高碕達之助 【歴史の 「記憶」 と 「忘却」 】 王 柯
● 〈小特集〉 藤原書店創業20周年記念
〈講演〉 歴史人口学と新しい日本像 速水 融
〈講演〉 “生きものらしさ” とは何か 大沢文夫
〈シンポジウム〉 いま、 日本をどう立て直すか 【人づくり / 街づくり / 国づくり】
佐伯啓思+片山善博+青山 ?+宮脇淳子+小倉和夫+(司会)御厨 貴
● 藤原書店創業20周年に寄せて
(メッセージ)
ロベール・ボワイエ / エマニュエル・ル=ロワ=ラデュリ / エマニュエル・トッド / イマニュエル・
ウォーラーステイン / アラン・コルバン / 高 銀 / 石牟礼道子 / 川勝平太 / 鶴見俊輔
(スピーチ)
塩川正十郎 / 大石芳野 / 岡 充孝 / 一海知義 / 辻井 喬 / 西舘好子 /
粕谷一希 / 金時 鐘 / 松島泰勝 / 結城幸司 / 海勢頭豊
● 〈書評〉 書物の時空
〈名著探訪〉 一海知義 / 佐佐木幸綱 / 速水 融 / 塩川正十郎
〈10枚書評〉 呉 世宗/鈴木英生
〈連 載〉 明治メディア史散策5 粕谷一希
● 連 載
〈俳 句〉 金子兜太 / 石牟礼道子
天に在り ――小説・横井小楠 小島英記
竹山道雄と昭和の時代 平川祐弘
近代日本のアジア外交の軌跡 小倉和夫
水の都市論 ――大阪からの思考 橋爪紳也
伝承学素描 能澤壽彦