叢書『アナール 1929-2010』序文
エマニュエル・ル=ロワ=ラデュリ&アンドレ・ビュルギエール(浜名優美訳)
『アナール』創刊の経緯と「アナールの精神」 / 時系列史の栄光の30年 / 『アナール』は変
わったのか
第1巻序文――初期のアナール 1929-1945年
アンドレ・ビュルギエール(井上櫻子訳)
リュシアン・フェーヴルとマルク・ブロック / 第2章「歴史学、経済学、統計学」について /
第3章「今日の世界的危機における金の問題」について / 第4章「シカゴ ―― 民族的経験」に
ついて / 第5章「経済革命期のカスティーリャにおける通貨 ―― 1501-1650年」について
/ 第6章「中世における金の問題」について / 第7章「水車の出現と普及」、第9章「近代式繋駕
法の起源」について / 第8章「フォラールベルク州のある谷間の村 ―― 今日までの変遷
について」について / 第10章「モロッコの土地について ―― 大土地所有者と農民」について
/ 第11章「ジェノヴァの資本主義の起源」について / 第12章「若者、永遠、夜明け ――
インド=ヨーロッパ比較言語学と比較神話学」について / 第13章「いかにして往時の感情生活
を再現するか ―― 感性と歴史」について
第1章 『アナール』創刊の辞―― 読者に (1929年)
(編集責任者)リュシアン・フェーヴル&マルク・ブロック(浜名優美訳)
第2章 歴史学、経済学、統計学 (1930年)
リュシアン・フェーヴル(井上櫻子訳)
区分の問題 / 歴史家の方法と経済学者の方法 / 統計学 / 社会階級の問題 ―― 経済的次元
からの考察 / 現代の階級
第3章 今日の世界的危機における金の問題 (1931年)
エミール・グットマン(平澤勝行訳)
今日、世界の金保有量をいかにして増やすか / トランスヴァールの金の生産 / ラントの鉱山
/ 金の増産
第4章 シカゴ ―― 民族的経験 (1932年)
モーリス・アルヴァクス(北垣潔訳)
シカゴの成長と全体的な特徴 / 都市の構造と人種グループ / 移民都市シカゴ / 国籍の地域
的な分布 / 結 論
第5章 経済革命期のカスティーリャにおける通貨 ―― 1501-1650年 (1932年)
アール・J・ハミルトン(平澤勝行訳)
通貨の管理 / 金銀比価の劇的な変動 ―― 物価上昇
第6章 中世における金の問題 (1933年)
マルク・ブロック(平澤勝行訳)
金貨鋳造 / 銀の自給自足と金の欠乏 / 西方世界の金貨不足 / ベザント、マンクス、マラボタン
/ アラブ通貨の流通 / 模倣貨 / 金貨鋳造の再開 / 国際的な交換手段としての金
/ 経済史は同時に社会史でなければならない
第7章 水車の出現と普及 (1935年)
マルク・ブロック(平澤勝行訳)
回転石臼から製粉水車へ / 中世 ―― 製粉水車の普及 / 手回し石臼から修道院、領主の
製粉水車へ
第8章 フォラールベルク州のある谷間の村 ―― 今日までの変遷について (1936年)
リュシー・ヴァルガ(北垣潔訳)
民族学と歴史学 / オーストリアの山間の谷にある村の産業と産物 / 戦後 ―― ドイツ人観光客
の到来 / 谷を襲う危機とナチスのプロパガンダ
第9章 近代式繋駕法の起源 (1936年)
アンドレ=ジョルジュ・オードリクール(平澤勝行訳)
アジアの南西部と北東部 / 西ヨーロッパ / 遊動棒付きの繋駕法 / アジア大平原末端の
ヨーロッパ
第10章 モロッコの土地について ――大土地所有者と農民(1937年)
ジャック・ベルク(北垣潔訳)
アジーブ ―― モロッコの特殊な土地下賜の実態 / 贈り物としての税金 / アジーブから共有
地へ / 集団としてのジェマーの登場による衝突
第11章 ジェノヴァの資本主義の起源 (1937年)
ロベルト・ロペス(井上櫻子訳)
古代ジェノヴァ史 / ランゴバルト族によるジェノヴァ征服 / 消費者としての地代所有者、
司教区、修道院 / 農民は時に船乗りである / コンパーニャ / 不動産資本から動産資本へ
/ 結論 ―― 戦争と交易
第12章 若者、永遠、夜明け ――インド=ヨーロッパ比較言語学と比較神話学(1938年)
ジョルジュ・デュメジル(浜名優美訳)
IUUENTAS〔若さ〕とAETERNITAS〔永遠〕 / IUUENES〔若者〕と
LUPERCALIA〔ルペルカリア祭〕 / アルメニアの夜明けの神話
第13章 いかにして往時の感情生活を再現するか ――感性と歴史(1941年)
リュシアン・フェーヴル(井上櫻子訳)
新しい主題 ―― 感性と歴史 / 定義 ―― 感性と優しさ / 情 動 / ホイジンガ『中世の秋』
について / 人間の感情の両義性 / 感情生活の復元 ―― 心理学、言語学、図像学 / 文 学
/ 感性についての共同研究
原 注
出典一覧
監訳者・訳者紹介
監修者・執筆者紹介