- 菊大並製 376ページ
ISBN-13: 9784894348004
刊行日: 2011/4
新しい時代に向けてトータルな知の総合を企図する学芸総合誌
目次
【特集】 自由貿易の神話
■ TPP問題の本質を歴史から考える
「保護主義」 とは何か 【フリードリッヒ・リストの経済学批判】
エマニュエル・トッド (訳=石崎晴己)
政治経済学と世界主義経済学
【『経済学の国民的体系』 第11章】
フリードリッヒ・リスト (訳=小林昇)
保護主義と国際自由主義
【その誕生と普及 1789-1914】
ダヴィッド・トッド (訳=石崎晴己)
ケインズの貿易観の変遷
【論説 「国家的自給」 をどう読むか】
松川周二
賃金デフレこそ世界経済危機の根本原因
【ヨーロッパ保護貿易プロジェクト】
J‐L・グレオ (訳=坂口明義)
リベラルな保護主義に向けて 【「市場」 を規定する政治】
中野剛志
統計の人為性による自由貿易のイデオロギー化
【『脱グローバリゼーション』第1章】
J・サピール(訳=井村由紀)
自由競争教という現代の狂気
西部 邁
「自由貿易」 とアメリカン・システムの終焉
関曠野
「環」 (Trans-) という概念から考えるTPP問題
【「環日本海」 と 「環太平洋」】
太田昌国
第一次産業を消滅させて本当によいのか? 【TPP問題の核心】
山下惣一
自由貿易と農業・環境問題 【マルサスから宇沢弘文まで】
関良基
● 「自由貿易こそ、 日本の生きる道」 という言説は真実なのか?
〈座談会〉 トッドの自由貿易批判と日本の選択
E・トッド+佐藤優+王柯+榊原英資+小倉和夫+中馬清福 (司会) (訳=小林新樹)
〈インタビュー〉「ホモ・エコノミクス (経済人)」 とは何か
【経済学の非合理的前提】
エマニュエル・トッド (聞き手・訳=石崎晴己)
【小特集】 イスラーム諸国の民主化
●いま、 何が起きているのか?
宗教と革命 ―― ムスリムから見たエジプト情勢
R・アスラン (訳=白須英子)
〈インタビュー〉 人口動態から見たイスラーム諸国の民主化
E・トッド (聞き手・訳=石崎晴己)
● 特別寄稿
―― アメリカの軍縮教育活動を紹介
被爆者の声を世界に届ける米国人の軍縮教育家、 キャサリン・サリバンさん
高橋弘司
● 特別寄稿
―― 噴出する 「領土問題」 の起源とは?
サンフランシスコ講和から60年 【対日平和条約と日本の領土問題】
原貴美恵
● 講 演
―― 「世界史」 「歴史」 の画期的定義をなしえた歴史学者の講演録。
世界史の誕生
―― 『モンゴル帝国から大清帝国へ』 を刊行して
岡田英弘
● 連 載
■ 新連載
孤 独 ―― 作家 林芙美子 1 林芙美子の死
尾形明子
■ リレー連載
歴史家チャールズ・ビーアドと日本 2
帝都復興は市民の手で 【ビーアドのメッセージ】
阿部直哉
■ 金子兜太の句 日常茶飯
■ 石牟礼道子の句 うす月夜
■ 詩獣たち2 危機のように、 祝福のように 【アルチュール・ランボー】
河津聖恵
■ 風のまにま 陽ざしのまにま 【旅の空から】2 「福岡 白秋の柳川、 太宰府・水城」
朴 才暎
■易とはなにか 3 【易経を読むために】
黒岩重人
■天に在り ―― 小説・横井小楠 5「邂逅の章」
小島英記
■竹山道雄と昭和の時代 6「独逸・新しき中世?」
平川祐弘
■近代日本のアジア外交の軌跡13 「韓国保護国化と日本外交 (その2)」
小倉和夫
■伝承学素描21「ツラン主義の周辺から」
能澤壽彦
● 〈書物の時空〉
■ 名著探訪
『近代欧州経済史序説』 (大塚久雄 著)
住谷一彦
『古事記』 に教わる
辻井 喬
『虞美人草』 (夏目漱石 著)
村上陽一郎
『三大陸周遊記』 (イブン・バットゥータ 著 / 前島信次 訳)
家島彦一
■ 書 評
『黒川能の里』 (大石芳野・馬場あき子 著)
伊藤綾
【原郷への眼差し】
『犯罪者の自伝を読む』(小倉孝誠 著)
井上櫻子
【犯罪者か、 狂人か、 英雄か】
『ああ、 ヨーロッパ』(J・ハーバーマス 著)
清家竜介
【EU統合の行方と公共圏の構造転換】
■ 連 載
明治メディア史散策 8
粕谷一希
【岩崎?弥の死】
読者の声 / 執筆者紹介