劉暁波 ほか
四六上製 400ページ
ISBN-13: 9784894348011
刊行日: 2011/5
真の「日中友好」とは何か?「劉暁波」は、我々の問題だ。
日中関係の未来は「民間」にあり!
天安門事件の忘却が「日中友好」なのか?「親中」なら中国の現体制を批判できないのか?「親中vs反中」という硬直した図式に囚われてきた我々の対中認識。劉暁波のノーベル賞受賞でも同じことが繰り返された。「天安門事件」とは何か?「08憲章」とは何か?中国の近代化とは何か?そこで問われているのは、我々自身の認識と隣人への姿勢である。
目次
日本の読者へ
劉 霞
〈詩〉暁波へ ―― 風 / 独り夜に待つ / 暗い陰 / 幾重にも重なる危機
劉 霞
はじめに
藤原書店編集部
I 私には敵はいない
――劉暁波の思想と行動
私には敵はいない――私の最終弁論
劉 暁波
私の自己弁護
劉 暁波
劉暁波氏との最後の会見
麻生晴一郎
劉暁波 ―― われわれの問題としての
子安宣邦
―― 『天安門事件から 「08憲章」 へ』 を再読する ――
劉暁波とは誰か ―― 自らを問い返すために
劉 燕子
「私には敵はいない」 という思想と行動
―― 「体制外」 は「反体制」 ではない
及川淳子
劉暁波の2つのあり方
―― バーバラ・ゴールドスミス賞受賞の挨拶
劉 霞
劉暁波の詩と 「生存の美学」
劉 燕子
II ノーベル平和賞受賞の意味
―― 希望は 「民間」 にあり
劉暁波のノーベル平和賞受賞に関する声明
受賞は中国の民主化を促すか ―― 北京の現場から
峯村健司
2010年ノーベル平和賞に関する思考
徐 友漁
劉暁波氏ノーベル賞受賞と中国市民社会の行方
麻生晴一郎
―― 『未来の自由な中国は民間にあり』 の 「民間」 の可能性 ――
希望は 「民間」 にあり
―― 人間として生きつづけるためには代償を払わねばならない
劉 燕子
壁の中の劉暁波と村上春樹の砕ける卵
藤井省三
III 「08憲章」 の思想
―― 和解による民主化
「08憲章」 と中国の知識人
及川淳子
「08憲章」 ――和解の宣言、 協力の宣言
杜 光
中国の民主化と民族問題
―― 「真理の光」 受賞講演
王 力雄
分化する中国 ―― 「党の天下」 は崩れるか
藤野 彰
劉暁波と趙紫陽 ―― 近似する政治改革論
横澤泰夫
共産党老幹部による全国人民代表大会宛公開書簡
李 鋭ほか
IV 天安門事件とは何だったのか
―― 劉暁波の原点
天安門広場空白の3時間と劉暁波
加藤青延
歴史に対し責任を負う劉暁波
矢吹 晋
「天安門の母たち」 と劉暁波
丁子霖・蒋培坤
敵対思考を論ず
―― 天安門事件20周年を記念して
張 博樹
中国民主化への日本政府の対応
―― 民主化運動を支持した国費留学生の受難
林 望
V 「近代化」 という中国の課題・矛盾・希望
劉暁波と中国政治体制改革
清水美和
「官と民のせめぎ合い」 と中国の今後
―― 和諧モデル崩壊後に何が来るのか
城山英巳
文章の力が民主化を実現する
―― 『大国の零落』 解題
余 杰
未来の自由な中国は民間にあり
―― 近代中国の過去と未来
劉 暁波
初出一覧
劉暁波著作・関連資料一覧 (及川淳子)
著者紹介