ロシアと日本 ――遠いか近いか?
――まえがきに代えて
序 ロシアのジャポニズム 『日本趣味』
―― 百年前と現在
「ジャポニズム」 とは何か? ロシアのジャポニズムはなぜ生まれたのか?
ロシア画家数人の日本趣味 ロシア詩人のジャポニズム ソ連にはジ
ャポニズムが存在したのか? ポスト・ソビエト日本趣味の特徴 新しい
ジャポニズムと日本ブームの終わり
第Ⅰ部 ロシアのジャポニズム
1 ロシア象徴派が見た日本
―― 「大山元帥の国ではなく、 歌麿の国」
日露戦争の勃発と 『天秤座』 の出現 ブリューソフの初期詩篇日露戦争の
帰趨と対日観の変化 ブリューソフの愛国主義 日露戦争の意味をめぐって
ブリューソフと日本美術 『天秤座』 日本特集号への反響 「ジャポニズ
ム」 浸透は日露戦争の所産
2 浮世絵コレクターと展示会
―― 浮世絵の魅力 (1)
ヨーロッパの 「ジャポニズム」 の影響 キターエフの浮世絵コレクション キタ
ーエフ・コレクションの展示会 ロシア画家数人の反応 回想の中の日本人
画商 第三回キターエフ・コレクション展示会とレーリヒ 金羊毛』の三論文
レーリヒの見解 マコーフスキーの観察 ゴールベフのエセー
3 日本人に学んだロシアの画家たち
―― 浮世絵の魅力 (2)
「ジャポニズム」 の定義 ドブジンスキーと広重 オストロウーモワ=レーベ
ジェワとホイスラー オストロウーモワ= レーベジェワと広重 キターエフ・コ
レクション鑑定委員会 レーリヒの画風変化と芳年 「ジャポネスク」 風の
「水」 描写 ファリレーエフとマテー オストロウーモワ=レーベジェワとマテー
ファリレーエフと広重 最良の水彩画家ヴォローシン 絵に詩を添えるヴォロ
ーシン クズネツォーフの 『日本版画のある静物画』 色彩の象徴派的解釈
4 ロシア語による短歌と俳句
―― 日本を愛したロシア詩人たち (1)
ブリューソフ 『人類の夢』 の 「扇の国」 スヴャトポルク= ミールスキーの 「模
倣」 欧米とロシアの巨匠たちの試み ヴェールメリの 『短歌』 マールトとマ
トヴェーエフ一族 マールトの 『桜の花びら』 マールトと与謝野夫妻 ジリペ
ルトの 『日本娘への手紙』 日本的詩歌の流行のひろがり ロシアの 「短歌」
と 「俳句」 の過去と現在
5 印象とファンタジー
―― 日本を愛したロシア詩人たち (2)
バリモントの 『太陽の根の国』 訪問 日本での有名人バリモント バリモントと
日本女性 バリモントの創作と翻訳 マサイノフの 『かぐわしい夕べ』 モラー
フスカヤの 『サムライ』 ツェートリン (アマリ) の 『田んぼ』 アリイ・ラネの 『日
本の真珠』 ブルリュークの詩作 ウルヴァンツォーフに捧げる詩二篇 マー
イゼリスとスミレーンスキーの作品 ムハーレワの 『日本水彩画』 コトームキン
=サヴィンスキーと 『古事記』
第Ⅱ部 知られざるロシア
1 なぜ日本人はロシア文学を好むのか?
―― ヨーロッパとアジアのはざまで
ヨーロッパとしてのロシア 日本で人気となったロシア文学とは何か? 日本の作
家としてのツルゲーネフ 農民生活の予言者トルストイ伯爵 ドストエフスキーの
主人公はロシア人を代表しているか? チェーホフの「退屈な物語」 はどの程度
退屈なのか?
2 ニコライ・ベルジャーエフと日本人
―― ドストエフスキーと革命、転向について
なぜ日本人はベルジャーエフを読むのか ベルジャーエフ、ペレストロイカと筆者
「自由の空気」 ―― ベルジャーエフと共産主義 ベルジャーエフ、 革命と進歩
転向したベルジャーエフ
3 生きている仏教の国、 ロシア
―― その歴史と現在
ロシアは仏教の国か? 帝政ロシアと仏教 ロシア革命と仏教 ペレストロイカ
とロシア仏教 ポスト・ソビエト時代のロシア仏教 ロシア仏教研究の初代 ロシ
ア仏教研究の黄金時代 スターリンの 「大テロル」 とロシア仏教学の運命 ソ連
政権と仏教学の弾圧 ロシア仏教研究の復活と現状
4 新ロシアの新日本学
―― 神道及び日本文化を中心として
「ソ連、 サヨナラ!」 ―― 自由を得たロシア日本学 「自由の空気」 ―― 人文科学
と文化研究 ソビエト時代の宗教研究 ―― 光と影 ロシアにおける神道研究の
歩み 「神道コンプレックス」 のない国家 ―― ロシア ロシアにおける神道研究
の現在の状況 神道研究と源流宗教の復活 新ロシアのため、新日本のため
の 「新日本学」
5 神道とキリスト教以前のロシア宗教
―― 源流宗教と現代社会
「偶像教」 とキリスト教の宗教観 偶像教か? 源流宗教か? 神道 ―― 生きて
いる源流宗教 神道と仏教の平和的共存 聖ロシアはキリスト教のみの国だっ
たか? 文化において生きる源流宗教 ロシア源流宗教はよみがえるか? 源
流宗教復活運動における二つの流れ 『ヴェーレスの本』と 『竹内文書』 源流
宗教の将来について
人名索引