- ピエール・ブルデュー 著
- 立花英裕 訳=解説
- A5上製 480頁
ISBN-13: 9784894348417
刊行日: 2012/2
ブルデュー国家論の原点! 教育社会学から国家社会学へ――
膨大な文献資料・統計データを渉猟し、1960-80年代フランスにおける支配階級再生産の社会的基盤を分析し、「権力維持に文化・教育が果たす 役割」についての一般理論を展開。
権力正当化の究極的根拠としての近代国家を、国家主義的に単に肯定するのでも、国民国家論的に単に否定するのでもない、ブルデュー国家論の原点。
目次
序 社会構造と心的構造
第Ⅰ部 分類選別の学校的形式
第1章 二元論思考と相反命題の調停
諸精神の教科/自在な余裕の高評価/学校的中庸
第2章 正当に評価されないことと象徴的暴力
認知機械/同僚の評価と大学的精神/認可された美徳の空間
補遺1) 全国リセ学力コンクール成績優秀者(1966―1986)の社会的出自の変遷
補遺2) 選別と選別性向
補遺3) 受賞した二点の小論文において目立つテーマ
補遺4) 四人の成績優秀賞受賞者プロフィール
第Ⅱ部 叙階
第1章 一貴族階級の養成
強制と促成栽培/象徴的幽閉/二元的組織
第2章 制度化の儀式
身を捧げる人を聖別する/修行と改宗/
ノブレス・オブリージュ(貴族であることの義務)
第3章 能力の曖昧さ
補遺) 入学準備クラスとグランドゼコールにおける体験関係資料
第Ⅲ部 グランドゼコールの〈界〉とその変容
第1章 構造の現状分析
モデル/大きな門と小さな門/グランドゼコールの空間――交差配列的構造/
選好の母胎/位置、心構え、思想傾向/職団精神/道を外れた者、道に迷った者
第2章 構造的歴史
構造的変数と不変数/覇権戦争/迂回路と避難所としての学校
補遺1) 褒め言葉
補遺2) 方法
補遺3) 主な統計資料
補遺4) 盲目であること
原注