- ピエール・ブルデュー 著
- 立花英裕 訳=解説
- A5上製 352頁
ISBN-13: 9784894348424
刊行日: 2012/3
ブルデューの“資本論”! 教育社会学から国家社会学へ――
現代社会を支配下におく権力、文化権力、政治権力、官僚権力、経済権力の特異な社会的布置。それは、どのようにして構築されたのか? これらの権力、とりわけ、学歴が付与する権威を笠に着る権力。それは、どのようにして社会的認知を得てきたのか? 日常生活のもっともありふれた活動の中に潜む社会的魔術の秘密の数々がブルデューによって露わに!
「ロイック・ヴァカンは、『国家貴族』の英語版が出たとき、ブルデューの『資本論』だと評した。異種の資本(経済資本だけでなく、学歴資本、社会 関係資本、文化資本など)が自律性を保ちつつも、交換され変換されもする論理を解明している点で、たしかに『国家貴族』は新たな『資本論』なので ある。」(「訳者あとがき」より)
目次
第Ⅳ部 権力〈界〉とその変容
第1章 諸権力とその再生産
権力(界)の構造/再生産戦略/同族型再生産様式/学歴型再生産様式/同族的学校経営
第2章 権力の学校と経済権力
国家的経営者と同族経営者/「ブルジョア階級の貴族」/
「エリート」/変化の方向/法服貴族の特権
第3章 権力〈界〉構造の変容
補遺1) 1972年時点の経済権力〈界〉(対応関係の分析)
□サンプル、および採用した指標/□資料/□結果
補遺2) 〈界〉内部における位置と政治的傾向
補遺3) 人脈人間の平凡な一日
補遺4) 選別的親近性、制度に裏打ちされた人脈と情報回路
補遺5) アンブロワーズ・ルーが「リブー爆弾を不発にする」
第Ⅴ部 国家権力、そして国家への権力
国家の魔術/法服貴族と国家の発明/正統化回路の延長
原注
図表一覧
解説1 フランスの教育制度(京免徹雄)
解説2 1960年代の学制改革(立花英裕)
解説3 学生隠語集(立花英裕)
訳者あとがき
索引