麻木久仁子・田村秀男・田中秀臣
四六並製 288ページ
ISBN-13: 9784894348431
刊行日: 2012/02
唐突なTPP参加論議、復興「増税」など的外れな経済政策を一刀両断、「デフレ病」克服の処方箋を徹底討論!
「デフレ病」が日本を根本から蝕む――
異常に長期化する「デフレ」に対して、政府・日銀は無策を続けている。しかし、経済停滞が長期化するなかで、非正規雇用を余儀なくされた若年層が30代~40代に至り、社会を支える中堅層が未熟練者で溢れるという恐るべき事態が到来しつつあるのだ。
長期のデフレのみならず、東日本大震災、世界的な金融不安など、日本が内外の危機にさらされる今、「増税主義」「デフレ主義」を正面から批判し、大胆な金融政策の速やかな実施と、日本が抱える余剰資金100兆円の動員による、雇用対策、社会資本の再整備に重点を置いた経済政策を提起する。
目次
はじめに 麻木久仁子
I デフレ下日本を直撃した東日本大震災
デフレと震災のダブルパンチ
「増税」という愚策――官僚の論理を超えて
「デフレ病」が日本を蝕む
II TPPへの対応と借金経済からの脱出
脱「借金経済」のモデルになれるか
TPPとアジア市場
III 提言――「公共投資」と「雇用対策」
真の「公共投資」が必要な時代
雇用を犠牲にするな
IV 100兆円の余剰資金を動員せよ! 〔「大復興・日本再生」をめざして〕 田村秀男
V 大震災と復興の経済学 〔関東大震災に日本の経済学者はいかに反応したか〕 田中秀臣
日本を建て替えよう――あとがきにかえて 田中秀臣
関連情報
● 麻木久仁子(あさぎ・くにこ @kunikoasagi)
1962年生。タレント。学習院大学法学部中退。クイズ番組や情報バラエティ番組などに出演。現在,TBSラジオ「麻木久仁子のニッポン政策研究所」(毎週土曜日朝5:05から)が放送中。おすすめ本を紹介するサイト「HONZ(http://honz.jp/)」の「HONZ 倶楽部」ではブックレビューを担当。
● 田村秀男(たむら・ひでお) http://tamurah.iza.ne.jp/
1946年生。産経新聞特別記者・編集委員兼論説委員。日経新聞ワシントン特派員,米アジア財団上級フェロー,日経香港支局長,編集委員,日本経済研究センター欧米研究会座長等を歴任。著書『人民元・ドル・円』(岩波新書)『円の未来』(光文社)『国際政治経済学入門』(扶桑社)『世界はいつまでドルを支え続けるか』(扶桑社)『「待ったなし!」日本経済』(李白社)『人民元が基軸通貨になる日』(PHP研究所)など。最近著は『財務省「オオカミ少年」論』(産経新聞出版,2011年12月)。
● 田中秀臣(たなか・ひでとみ @hidetomitanaka) http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/
1961年生。上武大学ビジネス情報学部教授。早稲田大学大学院経済学研究科博士課程修了。著書に『沈黙と抵抗 評伝・住谷悦治』(藤原書店)『昭和恐慌の研究』(共著,東洋経済新報社)『経済論戦の読み方』(講談社)『経済政策を歴史で学ぶ』(ソフトバンク)『不謹慎な経済学』(講談社)『雇用大崩壊 失業率10%時代の到来』(NHK出版)『デフレ不況』(朝日新聞出版)など。最近著は『「復興増税」亡国論』(上念司との共著,宝島新書,2012年1月)。