ミシェル・アグリエッタ+アンドレ・オルレアン 編
坂口明義監訳 中野佳裕・中原隆幸訳
A5上製 656ページ
ISBN-13: 9784894348653
刊行日: 2012/06
経済学では捉え得ない「貨幣」の起源と謎に迫る、貨幣論の決定版!
貨幣を単なる交換の道具と考える主流派経済学は、貨幣を問題にできない。インドヴェーダ社会、アレアレ社会、古代ローマ社会、アフリカ王権社会な ど非近代社会と、ユーロ創設を初めとする現代の貨幣現象の徹底分析から、貨幣の起源を明らかにし、いまだ共同体の紐帯として存在する近代貨幣の謎 に迫る。
目次
まえがき ミシェル・アグリエッタ、アンドレ・オルレアン
用語解説――貨幣の主権とは何か 坂口明義
序説
第1部 債務
第1章 ヴェーダ・インドにおける祭式的行為への支払い シャルル・マラムー
第2章 貨幣取引の儀礼的基礎、
もしくは殺し屋に礼を尽くす方法 マルク・ロガン・アンスパック
第3章 主権性と正統性の狭間にある金融的事実および貨幣手段
――アルカイック社会の金融制度―― ジャン=マリー・ティヴォー
第2部 主権
第4章 市場経済の貨幣的秩序 ミシェル・アグリエッタ、ジャン・カルトゥリエ
第5章 メラネシア共同体にとっての貨幣と、
ヨーロッパ社会の個人にとっての現代貨幣とを比較する ダニエル・ドゥ・コペー
第6章 古代ローマにおける戸口調査・評価・貨幣 ジャン・アンドリュー
第3部 信頼
第7章 勤労者社会における債務と貨幣の二元性について ブルーノ・テレ
第8章 西・赤道アフリカにおける
脱貨幣化と再貨幣化(19-20世紀) ジャン=ミシェル・セルヴェ
第9章 信頼と貨幣
――埋め合わせ・保護・統合の諸紐帯についての心理学―― ジャック・ビルスト
第4部 現代の諸進化
第10章 自己準拠貨幣――現代の貨幣進化に関する考察 アンドレ・オルレアン
原注
訳者解説(坂口明義)
人名索引
事項索引