- 粕谷一希 著
- 四六上製 256頁
ISBN-13: 9784894348790
刊行日: 2012/10
歴史(ヒストリー)は物語(ストーリー)である。
明治維新とはいかなる革命だったのか?
「東京裁判」を、「戦争責任」を、どう考えるのか?
昭和~平成のジャーナリズムにおいて、一貫してリベラルな論陣を仕掛けてきた著者が、戦後六十余年の「今」を考えるために、独自の視点から日本近現代史を平明に語り下ろす。
目次
序 歴史(ヒストリー)は物語(ストーリー)である
明治維新から敗戦までをどう考えるか
ヒストリーはストーリーである
ノンフィクション――歴史の決定的瞬間を文章化する手法
第一講 武士の「自死」としての革命 ――――――明治維新
「死して不朽の見込みあらば、いつでも死すべし」
巧山寺の挙兵――歴史の転換点
幕府は進歩的だったために潰れた
『京都守護職始末』にみる会津藩の悲劇
明治維新起源説――講座派、労農派、そしてノーマン
明治維新は世界的に特異な革命であった
「自死」の日本史
第二講 近代日本の分水嶺 ――――――――――日露戦争
明治の教育システムは優れていた
福沢諭吉が明治のベストセラー作家だった
上から下まで西洋の立志伝を読み漁った明治時代
原敬に連なる人々
富国強兵からの解放と帝国の完成
後藤新平と台湾、満州の善政
中韓の言い分と日本の言い分
日露戦争は近代日本の分水嶺
第三講 帝国主義と「個人」の登場 ―――――――大正時代
第一次大戦を内部から理解しなかった日本人
シベリア出兵
大正時代は「個人」の時代
共産主義とアナーキズムへの恐怖
「人類」の時代――アメリカ帝国の勃興
第四講 「戦争責任」再考 ―――――第二次大戦と東京裁判
戦争への転換点――原敬暗殺から満州事変まで
竹やりでB-29を迎え撃つ
主権国家が主権国家を裁くことはできない
「戦争責任」は責任の引き寄せ方でよくも悪くもなる
国の運命を誤るのはスタンドプレーをやる政治家
国際政治を動かすのは軍事力、経済力、そして世論である
戦後の課題――豊かな社会を考え直す
あとがき/注/人名注