- 中村桂子+鶴見和子 著
- 四六上製 248頁
ISBN-13: 9784894348950
刊行日: 2013/3
“生命”から始まる新しい思想!
地域に根ざした発展を提唱する鶴見「内発的発展論」、生物学の枠を超え生命の全体を捉える中村「生命誌」の格闘。
目次
〈新版への序〉私にとっての鶴見和子と南方熊楠 中村桂子
〈問題提起〉最も遠いようで最も近いもの ――アニミズムと現代科学 中村桂子
第1場 近代科学の鬼子として
第2場 内側からの学問を創る
第3場 南方熊楠との出会い
第4場 自己創出と内発性
第5場 人間不在の学問
第6場 生命は矛盾をはらんでいる
第7場 アニミズムと科学
第8場 内なる自然の破壊
第9場 四十億年の私の「生命」 ――人間と自然と人工が共に生き合う
〈対談を終えて〉鬼子が本家へと育つことを願って 中村桂子
あとがき 鶴見和子
関連情報
■近代化論では、発展とは単系発展で、アメリカやイギリスのような社会になっていく。でもそれでは面白くないし、そうしたら人類の将来、未来というものはないじゃない? その時にハッと気がついて、やはり内発的発展論で、それぞれ違う発展の形があることによって人類は生き残っていけるんだなということを、生物界の多様性から教えられたの。(鶴見和子)
■生きものたちは多様になり、現在という時点で、アリも、バクテリアも、キノコも立派に生きている、人間もその一つだというわけですから、下等、高等という言葉はないのです。そのように考えたいと思ったので、進化という言葉を使わないで、生命誌、生きものの歴史物語といったんです。社会がそうなっているというお考えは生命誌と重なり合います。(中村桂子)