- 小倉和夫 著
- 四六上製 288頁
ISBN-13: 9784894349025
刊行日: 2013/2
日本とアジアの“抗争の背景”を探る
■過去、日本は、中国の主たる王朝あるいは政権のいずれとも、5回、戦火を交えている。
■大和朝廷、平安貴族、鎌倉幕府、そして秀吉から明治の初めの征韓論まで、日本の内部では、常に、朝鮮に対する征服、支配、干渉の動きがあった。
■戦略的な外交においては、国家を、単なる物理的領土としてではなく、ある精神を体現すべき精神的空間と見なすことを基礎とする。
目次
第Ⅰ部 日本の対アジア外交軸
第一章 日本におけるアジア外交の思想
1 日本の外交理念の枠を考える
2 アジアの反植民地運動と日本
3 アジア・モンロー主義とは何か
4 「黄禍論」のもとでの日本外交
5 アジア主義の構図を問う
第二章 外交と連動する内政
1 アジアに「認知」されたい日本
2 アジアに背を向けた日本
3 内と外とのディレンマ ――アジアの改革諸勢力に対する日本の対応
4 国内の権力闘争と絡む外交政策
5 体面と面子への配慮
第Ⅱ部 日・中・韓の長期外交史
第三章 日中二千年史における五回の戦争とその背景
1 日中戦争への道
2 日清戦争はどうして起こったか
3 日本と明との戦争の背景 ――秀吉の東アジア観と明への進攻意図
4 日本と元(蒙古)はどうして戦争に突入したか
5 日本と唐との軍事衝突の背景
6 歴史から学ぶ、現代への三つの教訓
第四章 「征韓論」の歴史的系譜とその背景
1 大和朝廷の新羅出兵計画
2 仲麻呂の新羅征討計画
3 蒙古襲来と「異国征伐」
4 秀吉の朝鮮攻略
5 幕末から明治の征韓論
6 韓国の「保護国」化