野間宏・三國連太郎
四六並製 352ページ
ISBN-13: 9784894349179
刊行日: 2013/06
なぜ今、「親鸞」なのか。
戦後文学の巨人・野間宏と稀代の“怪優”・三國連太郎が20数時間をかけて語りあった熱論の記録。
三國連太郎初監督作品「親鸞・白い道」(カンヌ国際映画祭審査員特別賞)の核心を語り尽くした幻の名著、装いを新たに待望の復刊!
目次
新版にあたって
1 環境破壊の現代を切り裂く――映画『親鸞・白い道』に寄せて 野間宏
2 今、「親鸞・白い道」を撮り終えて 三國連太郎
3 野間宏さんとの出会い 三國連太郎
I 親鸞から親鸞へ
一 親鸞へ――自分を疑う・三國連太郎
二 親鸞から――自然・野間宏
三 現代の状況と課題
四 庶民思想の凝結――法然と親鸞
五 共同体づくり
六 法然と当時の仏教権力の構造
七 当時の越後の国際的状況
八 一念義と多念義
九 国家暴力と親鸞
II 映画「親鸞・白い道」をめぐって
一 はじめに――ラストシーンから映画は始まる
二 日本文化観をからかう――田楽の場合
三 親鸞と太子信仰――射鹿
四 百姓と行者――大自然
五 太子堂から土炉の爆発へ――綾衣と一斗
六 性と暴力――恵信とちよ
七 実朝暗殺と弁円――親鸞の対峙
八 宝来の死――差別と公害
九 現代と親鸞――いまなぜ親鸞か
III 映画的視点から現代を問う
一 カンヌ映画祭をめぐって
二 「親鸞・白い道」制作現場から
三 映画づくりの姿勢を問う――映画「ミッション」と「親鸞・白い道」
四 三國連太郎、次作を語る――「家」から「個」へ
〈補〉鎌倉仏教と現代――「親鸞・白い道」の時代背景を読む 丸山照雄
鎌倉仏教の範囲/旧仏教と新仏教のかかわり/仏教の成立史的意味/
信仰主義の成立/仏教の歴史意識/宗教倫理と自我の形成/知識人にとっての親鸞/
世界史成立の普遍性と仏教/民族と文化共同体/アイデンティティの模索と仏教
あとがき――野間宏先生との対談記録の整理を終えて 三國連太郎
親鸞略年譜/編集後記/新版への後記