- 山田國廣
- 協力=黒澤正一
- A5判並製 192ページ
ISBN-13: 9784894349391
刊行日: 2013/10
次世代を守るために、元に戻そう!
自分の手でできる、究極の除染方法が、ここにある!!
2013年9月末の「公開除染実証実験」で成功した“山田式除染法”を徹底紹介!
目次
はしがき
除染は、できる――「はじめに」にかえて
(1) 私の試行錯誤の経緯――2011年5月から2013年9月
1 なぜ、私が「除染モデル」構築にとりくむことになったか?
2 さまざま場所で、さまざまな除染モデル構築実験をしました
3 「原理がわかれば、除染はできる!」講演会の開催
4 「除染」に対する住民、とくにお母さんの想い
5 郡山市長の「お詫び」と「約束」
6 郡山市の汚染の現状と、久保田52町内会のこれまでのとりくみ
7 「除染は、できる」ことを証明するための、「公開除染実証実験」
(2) 「除染は、できる」ことを証明する!
1 年間1mSv以下に、できる
2 事故前の自然放射線量の状態に、戻ることができる
3 高線量地域でも、着実に低減させることができる
4 面的除染は、できる
5 住民の手で、除染はできる
6 除去物は、近場で安全に、一時保管することができる
(3) 住民参加型の除染方法
1 除染実施直前の作業手順と、被ばく防止説明会
2 測定には、鉛板遮蔽体の使用が、なぜ必要なのか?
3 通学路ホットスポットの除染法
4 汚染コンクリートの除染法
5 バラスや雨水升など、混合汚染物の「水洗浄分級法」
6 レンガ敷石の除染法
7 ベランダの除染法
8 室内に侵入するγ線を、どのように低減させるのか?
1 Q&A 除染について知っておきましょう!
1.1 「適切な除染」とは、どのようなものですか?
1.2 「適切な除染」の目的は、何ですか?
1.3 どのくらい被ばくすると、危険なのでしょうか?
1.4 どのような場所が、ホットスポットになりやすいのですか?
1.5 なぜホットスポットの除染をしなければならないのですか?
1.6 今、気をつけなければならない放射性物質は、どのようなものですか?
1.7 なぜ放射性廃棄物を「減容化」しなければならないのですか?
1.8 業者にまかせておいてはいけないのは、なぜですか?
〈コラム〉「危険か安全か」を超えて、「除染すべき」!
〈コラム〉メッセージ――潜在的リスクを背負った、全国の原発立地の人たちへ
2 Q&A 「適切な除染方法」とは?
2.1 除染作業をおこなう上で、注意をしなければならないことは、何ですか?
〈コラム〉放射線、放射能について
2.2 田畑や空き地には雑草が生い茂っていますが、これらをどうすればよいですか?〈抜根法〉
2.3 運動場のような土面は、どのようにしたらよいですか?〈代掻き乾燥法〉
2.4 田畑の除染を、どうしたらよいですか?〈湛水法〉
2.5 路面、屋根、壁など、固い表面に入りこんでいる場合の除染は、
どうしたらよいですか?〈吸引法、クエン酸溶出法〉
〈コラム〉放射性セシウムを、固い表面から引きはがす「キレート効果」について
2.6 路面、屋根、壁など、固い表面に深く入りこんでいる場合の除染は、
どうしたらよいですか?〈布剥離法〉
2.7 山林からの放射性物質移動には、どのように対処したらよいですか?〈水みちトラップ〉
2.8 ため池は、どのように除染したらよいですか?
2.9 「農業」と「除染」を同時に進めることはできますか?
2.10 刈り取った雑草などを乾燥させたものを、どのように処理したらよいですか?
2.11 除染の前に、いちいち放射線量の測定をする必要があるのですか?
2.12 放射性廃棄物の焼却灰は、どのようにすればよいですか?〈水洗浄分級法〉
〈コラム〉焼却灰水洗浄分級法の原理と効果
〈インタビュー〉除染はできない!?――山田先生に聞く 聞き手=編集長
3 Q&A 安全保管の方法とは?――安全保管容器とその置き場所
3.1 集めて濃縮した放射性廃棄物を、どのように管理すればよいですか?
3.2 農地など、比較的広い土地に繁茂した雑草などを、どのように処理したらよいですか?
3.3 裏山や土手などの斜面からの放射線には、どのように対応したらよいですか?
〈インタビュー〉生業復帰のために――山田先生に聞く 聞き手=編集長
4 実践例、実証実験データの紹介
4.1 通学路のガードレール直下を除染しよう〈ホットスポットの除染とその効果(1) 郡山市内〉
4.2 土面を除染しよう〈ホットスポットの除染とその効果(2) 郡山市内〉
4.3 側溝を除染しよう〈ホットスポットの除染とその効果(3) 郡山市内〉
4.4 屋根・瓦を除染しよう〈ホットスポットの除染とその効果(4) 飯舘村深谷〉
4.5 トタン屋根を除染しよう〈ホットスポットの除染とその効果(5)〉
4.6 雑草地を除染しよう〈ホットスポットの除染とその効果(6) 郡山市内〉
4.7 雑草を減容しよう〈堆肥化減容法〉
Notes
[付]環境省除染関係ガイドラインの除染方法と、私たちが提案する地域循環型除染方法の対比
刊行によせて 黒澤正一
謝辞
関連情報
●元に戻そう!!
本書の内容は、「元に戻そう!」という提案です。そのために“必要な”除染とは、「安心の水準」にまで数値を改善することであり、「風評被害を打破するために十分な水準」でもあります。
必要なことは、今できていなくても、不必要になってはくれません。「必要・不必要」と「できる・できない」を混同してはいけません。必要な除染は、できるように挑戦していく使命が与えられるだけです。
そこで本書は、以下のような皆さんに読んでいただくために執筆しました。
1. 放射線被ばくを少なくしたい、と望んでいる人
2. 元の生活に戻りたい、と願っている人
3. 「除染はできない」と思いこんでいる人
4. 政府、地方自治体において、除染業務に関係している人
5. 放射能汚染問題を抱えている企業、除染で社会貢献がしたいと望んでいる企業
6. 原発立地地域で反原発運動をしている人、避難の是非を考えている人
7. 被災地に出向き、なにか役立ちたいと考えている支援グループ
さらに本書では、どうすれば効果があがるのか、具体的な方法も、わかりやすくQ&A式で掲載しています。
福島市、飯舘村、郡山市、喜多方市など地元の有志の皆さんにご協力をいただきながら、目前にある汚染の除去の実践をつみかさね、データを蓄積した二年間の結果すべてを、本書にこめています。
本書に記した効果的な除染を体験した郡山市のボランティア集団「行健除染ネットワーク」の村上代表は、「これなら自分たちでもできる!」という感想を語ってくれています。
国や業者まかせで、ただ待っているだけで、これまでとなんら変わらない時間が浪費されるとすれば、いわば自力でこの状況を打破する手法として、本書が活用されることを、心から願っています。(本書より)
●2013年8月、福島での講演会で寄せられたアンケートから
▼実践して効果を出した、という講演内容が大変わかりやすく、きいていて明るい気持ちになりました。詳細な除染方法に、自分もできることを確信しました。感謝の気持ちでいっぱいです。今後も、福島のためによろしく、お願いいたします。(女性、36歳)
▼放射線関係のお話(講演会)は、初めて参加しました。除染についていろいろ課題もあるけど、とにかく方法はあり、立場をこえて実例をつくりあげていくことが大切だと思いました。(女性、42歳)
▼先生のお話は、とてもわかりやすく、勉強になりました。力強く説得力があり、子どもたちのために大人ががんばらないといけない、と改めて思いました。先生のお話には希望を感じました。ありがとうございました。(女性)
▼山田先生にお話をしていただき、自分のできることを(少しあきらめていたのですが)やりたいです。(女性、62歳)
▼大変内容の高い講演会でした。除染後の汚染物の除去の方法、雑草の処理など、除染作業のしかたがわかりやすく、たいへんよかったです。ありがとうございました。(女性、72歳)
▼このやりかたで、子どもたちの安心が出来るのなら、実践したい。(男性、33歳)
▼これまで除染活動をしてきたが、なかなか大きな効果が出ない。今でも、高い線量の部分がある。いつのまにか除染に行きづまり、あきらめがあった。しかし、今回の講演で、除染の方法、除去物の保管の考え方を変えれば、線量が低減できることを教えていただいた。もう一度除染をしてみようと思い直した。(男性、43歳)
▼本日は、ありがとうございました。今まで家でやっていたことがまちがっていることがわかりました。講演をきいてよかったと思います。(女性、35歳)
(本書より)