田中秀臣 編
四六並製 344ページ
ISBN-13: 9784894349421
刊行日: 2013/10
消費税増税で日本経済はどうなる? 緊急出版!
「金融政策」「財政政策」「成長戦略」の「三本の矢」で構成される安倍内閣の経済政策(=アベノミクス)。脱デフレ効果が現れ始めた矢先の消費税増税は、いったい何をもたらすのか? 日本経済の不安定化の見通しと、それに対する必須の対策までを盛り込んだ、増税決定後、緊急刊行の必読論集!
目次
〈編者まえがき〉日本の経済再生を考える
――レジーム転換、チキンゲーム、不確実性―― 田中秀臣
第?部 アベノミクスとは何か
〈インタビュー〉経済再生は可能か? 浜田宏一(聞き手=片岡剛士)
〈インタビュー〉安倍内閣の経済政策とは何か――その全体像
若田部昌澄(聞き手=藤原良雄)
第?部 アベノミクスに何が可能か
1 脱デフレ政策の現在・過去・未来
2060年の日本経済・社会と経済政策 原田泰
国際比較の中のアベノミクス 安達誠司
量的緩和と連動する公共投資で早期の脱デフレに導け 田村秀男
安倍内閣の財政政策 片岡剛士
安倍内閣の経済政策と賃金 高橋洋一
本来左派側の政策のはずだったのに 松尾匡
80年前、メディアはリフレ政策をどう伝えたのか
――高橋財政期の報道をめぐって―― 中村宗悦
「リフレ派」の系譜学――先駆者、岡田靖の貢献から 田中秀臣
2 アベノミクスの光と影
〈インタビュー〉ユーロ危機、アベノミクス、日本の将来
ロベール・ボワイエ(聞き手=藤原良雄 訳・構成=植村博恭)
アベノミクスをどう見るか――「構造的デフレ」の視点から 榊原英資
アベノミクスの光と影 中島將隆
インディカティブ・ポリシーへ向けて 西部邁
第?部 日本経済は再生するか?
〈シンポジウム〉日本経済は再生するか?
原田泰+高橋洋一+片岡剛士 〈コーディネーター〉田中秀臣
第?部 消費税増税ショックと今後の経済対策
消費税増税ショックと今後の経済対策 片岡剛士・田中秀臣
関連情報
安倍政権の経済政策(アベノミクス)として、(1)インフレ目標2%を2年を目標に実現しようとする大胆な金融緩和、(2)機動的な財政政策、(3)成長戦略という「三本の矢」が提起され、日本銀行は大胆な金融政策へとレジームを転換した。
だが、このレジーム転換は、その当初の成功に多くの論者が賛同しているにもかかわらず、いまださまざまな不安定要因にさらされている、というのが本書の大きな課題だ。特に2013年10月1日に安倍首相が決断した消費税増税は、これからの日本経済の最大の不安定要因になるのではないか、と議論されている。この不安定要因を克服し、日本経済をどのように再生するべきであろうか。
(「編者まえがき」より)
●編者紹介
田中秀臣(たなか・ひでとみ)
1961年生。上武大学ビジネス情報学部教授。早稲田大学大学院経済学研究科博士課程修了。著書に『沈黙と抵抗 評伝・住谷悦治』『日本建替論』(麻木久仁子・田村秀男との共著、以上藤原書店)『昭和恐慌の研究』(共著、東洋経済新報
社)『経済論戦の読み方』『不謹慎な経済学』(以上講談社)『経済政策を歴史で学ぶ』(ソフトバンク)『雇用大崩壊――失業率10%時代の到来』(NHK出版)『デフレ不況』(朝日新聞出版)『「復興増税」亡国論』(上念司との共著、宝島新書)など多数。