- ジャック・アタリ 著
- 的場昭弘 訳
- A5上製 584頁
ISBN-13: 9784894349735
刊行日: 2014/7
マルクスの実像を描きえた、唯一の伝記。
“グローバリゼーション”とその問題性を予見していたのは、マルクスだけだった。
そして今こそ、マルクスを冷静に、真剣に、有効に語ることが可能になった。
その比類なき精神は、どのように生まれ、今も持続しているのか。
目次
序文
第1章 ドイツの哲学者(1818~1843年)
第2章 ヨーロッパの革命家(1843年10月~1849年8月)
第3章 イギリスの経済学者(1849年8月~1856年3月)
第4章 インターナショナルの主人(1856年4月~1864年12月)
第5章 『資本論』の思想家(1865年1月~1871年10月)
第6章 最後の闘い(1871年12月~1883年3月)
第7章 世界精神
謝辞/訳注/文献目録/訳者解説/人名索引
〈付録〉マルクス略年表/マルクス家の家系図/ヴェストファーレン家の家系図
関連情報
■二十世紀において、カール・マルクスほど読者をもった作家はいない。彼以上に希望を集めた革命家もいない。彼の著作ほどに注釈が書かれたイデオローグもいない。何人かの宗教の教祖をのぞけば、彼に比較できるほどの影響力を世界に与えた人物はいない。
■われわれの歴史と国家の概念を作り上げたのは社会科学だが、マルクスは社会科学の父の一人であった。世界がつねに了解され、それゆえに変化をこうむるのは、ジャーナリズムのおかげであるが、マルクスはもっとも偉大な職業的ジャーナリストであった。
■マルクスは最初の「グローバル」な思想家であり、「世界精神」をもった人物である。(…)あらゆる分野、あらゆる言語獲得に触手を伸ばしたマルクスは、死の直前まで、世界の全体性、人間の自由の活力を抱き続けようとする。彼こそ世界精神である。
■共産主義が地球の表面から永遠に消えてしまい、マルクスの思想がもはや権力と関係しなくなったように見えてはじめてマルクスを冷静に、真剣に、したがって有効に語ることが可能になったのである。
著者紹介
●ジャック・アタリ(Jacques Attali)
1943年アルジェリア生。パリ理工科学校を卒業、1981年大統領特別顧問、1991年欧州復興開発銀行初代総裁。1998年に発展途上国支援のNGOを創設。
邦訳著書に『危機とサバイバル』(作品社)『ノイズ――音楽/貨幣/雑音』(みすず書房)『国家債務危機』(作品社)『1492西欧文明の世界支配』(ちくま学芸文庫)『金融危機後の世界』(作品社)『21世紀の歴史』(作品社)『反グローバリズム』(彩流社)『所有の歴史』(法政大学出版局)『時間の歴史』(原書房)他多数。
【訳者】
●的場昭弘(まとば・あきひろ)
1952年生。神奈川大学経済学部定員外教授。経済学博士。専門は、マルクス経済学。
著書『超訳『資本論』』(全3巻、祥伝社新書)『待ち望む力』(晶文社)『一週間de資本論』(NHK出版)『マルクスだったらこう考える』『ネオ共産主義論』(光文社新書)『マルクスに誘われて』(亜紀書房)他多数。訳書に、『新訳 初期マルクス』『新訳 共産党宣言』(作品社)他多数。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです