- 宮﨑隆典
- 四六並製 224ページ
ISBN-13: 9784894349902
刊行日: 2014/09
アイガモ二千羽による 有機農法を実践する「モミ発芽玄米」の 開発者が、世界に叫ぶ!
◎大潟村開村50 周年記念
“世紀の干拓”で生まれた人工村で実現した、アイガモ2000 羽による有機農法とは?
減反政策からTPP まで、日本の農業政策の転変に直撃された半世紀間、本来の「八十八」の手間をかけたコメ作りを追求し、画期的な「モミ発芽玄米」を開発した農民、井手教義の半生と、日本農政の未来への直言を余すところなく記す!
目次
はじめに
第1章 古里「八女」と新生「大潟村」
1 ガキ大将の難問突破体験
2 八郎潟の干拓でニューモデル農村が誕生
第2章 覚悟の大規模農業
1 大潟村へ入植する
2 国の「減反政策」で村が揺れた
3 コメ作り「八十八」のはるかな道
4 大豆の優良農家表彰で「全農会長賞」を受賞
第3章 有機農業への大転換
1 雑草、害虫、病菌と戦う
2 アイガモ農法を確立する
3 病害虫をピンポイントで撃つ「適期適作」
4 名産魚ハタハタを混ぜて作る有機肥料
第4章 付加価値農業を目指す
1 「有機JAS」農産物の認定を受ける
2 「汝の食物を医薬とせよ」を座右の銘に
3 モミ発芽玄米の製法特許を取って商品化する
4 WEBサイト「田んぼの24時間」のライブカメラ
第5章 コメ作り四〇年
1 今日一日、天職を楽しむ
2 年々歳々、田よコメよ友よ
3 生涯現役、最後はピンピンコロリで
4 農閑期に、世界の農業を見る
第6章 農政の正念場を迎えて
1 低空飛行の食糧自給率
2 スイス、アメリカ、EUの農業政策
3 日本の農業の立ち位置
4 日本型直接支払い制度を
第7章 日本のコメ・農業のサバイバルのために
1 「ターゲット」を定める――学校給食、玄米食、輸出の三本の矢を放つ
2 「食べ物」を見直す――日本料理店総料理長・野崎洋光さんと対談する
3 「土」を守る――土壌微生物の世界をDVD『根の国』に見る
4 「闘う姿勢」を忘れない――大潟村の涌井徹さんと共に闘う
第8章 日本国大潟村
1 村長の構想――大潟村・高橋浩人村長に聞く
2 一刻者の夢――百姓・井手教義が世界に叫ぶ
おわりに
関連情報
●宮﨑隆典(みやざき・たかのり)
昭和18(1943)年、熊本市生まれ。県立熊本高校卒、早稲田大学第一政治経済学部卒。読売新聞記者(婦人部など20年)のあとフリージャーナリスト。農業と食を主たるテーマに、海外取材もしつつ取材・執筆活動をする。鎌倉市教育委員、同教育委員長、東京都消費生活審議会委員などを歴任。現在、NPO食と農と健康理事長。一般財団法人日本消費者協会評議員。NPO筑波農場のリーダーとして野菜作りをしつつ体験農業を受け入れている。湘南童謡楽会代表。趣味はクラシック鑑賞、オペラ観劇など。
著書に『甘夏に恋して』(コープ出版)、『環太平洋コメ戦争』(集英社)、『ステビアパワー革命』(ダイヤモンド社)、『食育の急所』(日本消費者協会)など。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです