- 石牟礼道子 著
- A5上製 216頁 口絵4頁
ISBN-13: 9784894349964
刊行日: 2014/11
未発表処女作を含む初期作品集!
戦中戦後の時代に翻弄された石牟礼道子の青春。その若き日の未発表の作品がここに初めて公開される。16歳から20歳の期間に書かれた未完歌集『虹のくに』、代用教員だった敗戦前後の日々を綴る「錬成所日記」、尊敬する師宛ての手紙、短篇小説・エッセイほかを収録。
目次
Ⅰ
不知火をとめ 1947.7.3
ひとりごと 1946.12.11-1947.7.20
Ⅱ
錬成所日記 1945.6.23-9.18
Ⅲ
徳永康起先生へ――石牟礼道子の若き日の便り 1946.1.15-7.21
Ⅳ
タデ子の記 1946
光 1946
Ⅴ
未完歌集『虹のくに』 1945-1947
あとがき
関連情報
六月二十八日
朝、森先生より沖縄の報告あり。
“長恨千載に尽きるなし”
牛島最高指揮官の御言葉なり。
一億のはらから そも 此の言葉を 如何に聞きたる。
死にましゝ幾多 英魂の叫びにあらで、何の御声ぞ。
今ははや形見となりし箸箱の花を撫でつゝ泣かじとおもふ
遺されし箸箱撫でつゆくりなく赤き小花の浮きて流るゝ
日の本の唯をみなたれと云ひ送り沖縄島に果てし兄かも
私の悲しさ云はじ同胞の恨を継ぎていざ起ち撃たむ
(「錬成所日記」より)
著者紹介
●石牟礼道子のプロフィール、関連書籍は
こちらをご覧下さい。