- アラン・コルバン
- 小倉孝誠・野村正人・小倉和子 訳
- 四六上製 392ページ
ISBN-13: 9784938661779
刊行日: 1993/7
近代的感性とは何か
女と男が織りなす近代社会の「近代性」の誕生を日常生活の様々な面に光をあて、鮮やかに描きだす。語られていない、語りえぬ歴史に挑む。〈来日セミナー〉「歴史・社会的表象・文学」収録(山田登世子他)。
目次
日本語版によせて
「時間」 の誕生
―― 時間の管理と規則化 ――
Ⅰ
布製品の普及と身体文化
女中と主婦
―― ブルジョワの幻想 ――
恐怖で書かれた女性史
―― 男性の苦悩と女性への恐怖 ――
Ⅱ
娼婦、 淑女混交への男性の恐怖
―― 教育よき歴史は失敗の歴史 ――
避妊の歴史と娼婦の役割
先天性梅毒の歴史
若夫婦の手引書
Ⅲ
劇場空間での騒乱と権力
―― 文化的・政治的交点としての地方劇場 ――
都市における産業公害と政治
出稼ぎ労働者の生態
―― パリの建設業界で働くリムザーン地方出身者の歴史 ――
暴力と流血の社会史
―― 首都パリのイメージの系譜に関する考察 ――
歴史学と感覚の人類学
参考文献
原 注
参考地図
<セミナー> 「歴史・社会的表象・文学」 ――アラン・コルバン氏を囲んで
〔発言者〕 アラン・コルバン / 山田登世子 / 福井和美 / 大野一道
北山晴一 / 桑田禮彰 / 小倉孝誠 (通訳)
感性の歴史学と文学 / 社会的表象と集合表象 / 表象システムの構築 / 社会的表象を分析することの困難さ / 文学作品は歴史学に何をもたらすのか / 文学は行動のモデルを提供する――夢・旅・愛・読書 / バルザック、ゾラ、ゴンクール兄弟 / 文学は貴重な証言ではあるが証拠ではない / 社会的想像力とイデオロギー / ミシュレとコルバン / ミシュレの魅力 / 表象システムの歴史学と政治的なもの / フーコーに関するあるエピソード
感性の歴史学の射程 ――訳者あとがきにかえて