全著作〈森繁久彌コレクション〉(全5巻) 1 道――自伝

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  • 森繁久彌 著
  • [解説]鹿島茂
    [月報]草笛光子/山藤章二/加藤登紀子/西郷輝彦
  • 四六上製 640頁 口絵8頁
    ISBN-13: 9784865782448
    刊行日: 2019/10

名優であり最後の文人 森繁久彌さん(1913-2009)没十年記念!

「夫婦善哉」「屋根の上のヴァイオリン弾き」「社長シリーズ」などの俳優としての業績にとどまらぬ最後の文人としての全貌を明かす著作全集!
「文人」の家に生まれ、演劇の世界へ。新天地・満洲での活躍と苦難の戦後、帰国、そして新しい日本で俳優として活躍した自らの歩み。
【付】「森繁久彌前史」(楠木賢道)/系図


目次


Ⅰ 私の履歴書――さすらいの唄
Ⅱ 森繁自伝
Ⅲ 満 州
Ⅳ わが家族

底本一覧

[解説]メイキング・オブ・モリシゲ(鹿島 茂)
〈補〉大叔父・成島柳北と父・菅沼達吉の生涯──森繁久彌の原点(楠木賢道)

刊行に寄せて(森繁 建)
森繁久彌 関連系図
森繁久彌 年譜(1913-2009)
人名索引

関連情報

◎下手の横好きというか、私はこうして作文し、めちゃくちゃの絵も書き、書も我流の大家だ。よせばいいのに詩を作り、曲までつけて恥を巷間にさらしているが、実は本業の役者もそれに準ずる万年素人であるようだ。
◎が、ひと言ここでタンカを切るなら、文も絵も書も後世に残るものだが、役者の舞台は瞬間を生きるもので、それらは網膜に残影を残して終りである。
◎私はこれを燃焼芸術と呼んでいる。
◎そのはかなさと、その〝時〟の流れに芸術する精神と肉体を芸術体とするなら、これらに一切の過去はないと見ていい。もちろん、積み重ねて来た過去の体験は必要だが、今日の新聞のように、今日の民衆の中で生きるその華々しさが演劇の華であろう。
(森繁久彌)

【著者紹介】
●森繁久彌 (もりしげ・ひさや)
大正2(1913)年、大阪府枚方市に生れる。2歳の時に父・菅沼達吉が死去。大正9年、母方祖父の姓を継ぎ森繁久彌に。昭和10年、早稲田大学商学部入学。昭和11年、東宝新劇団に入団、解散し東宝劇団歌舞伎、次いでロッパ一座に。昭和14年、NHKアナウンサー試験を経て、満洲の新京中央放送局に勤務。昭和21年、新京で劇団コッコ座を結成、11月帰国。昭和22年、「女優」で映画初出演。昭和24年、新宿ムーラン・ルージュに参加。昭和25年、「腰抜け二刀流」で映画初主演。昭和28年、「半七捕物帳 十五夜御用心」でテレビ初出演。昭和30年、映画「警察日記」「夫婦善哉」大ヒット。昭和31年、ブルーリボン賞、「へそくり社長」で「社長シリーズ」始まる。昭和33年、「駅前旅館」で「駅前シリーズ」始まる。昭和35年、初プロデュースの主演映画「地の涯に生きるもの」。この撮影で「知床旅情」作詞・作曲。昭和37年、森繁劇団の旗揚げで「南の島に雪が降る」上演。昭和42年、ミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」初演(主演テヴィエ役、昭和61年に900回を迎える)。昭和48年、映画「恍惚の人」大ヒット。昭和59年、文化功労者。平成3年、俳優として初の文化勲章を受章。平成16年、映画「死に花」で最後の映画出演。テレビドラマ「向田邦子の恋文」で最後の演技。平成21(2009)年11月10日死去。12月、国民栄誉賞が追贈。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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