女がみた一八四八年革命(下)

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  • ダニエル・ステルン 著
  • 志賀亮一・杉村和子 訳
  • 四六上製 704頁
    ISBN-13: 9784865783735
    刊行日: 2023/1

マルクス『共産党宣言』で知られる1848年とは、どういう時代だったか!?

ジャーナリスト〈ダニエル・ステルン〉として活躍したマリー・ダグー伯爵夫人が描きつくした1848年革命は、
ブルジョワジーではなくプロレタリアートによる革命、民衆の時代の幕開けだった!!
民衆の喚声と慟哭と鬨の声が聞こえる名著、初の邦訳刊行!


目次

第25章 ヨーロッパにおける革命―サンクト=ペテルブルク、ウィーン、ミラノ、ベルリン―ドイツ義勇軍の遠征
【臨時政府下の社会4】
第26章 三月一七日の続き―四月一六日―シャンガルニエ将軍―友愛の祭典
【臨時政府下の社会5 プロレタリアの不満】
第27章 美術―選挙法―議員立候補者の所信表明―憲法制定議会の開会―臨時政府は十分祖国に貢献した
【臨時政府下の社会6 憲法制定議会】
第28章 憲法制定議会―労働進歩省―ポーランド問題―五月一五日
【憲法制定議会】
第29章 五月一五日の続き―取り調べ―ルイ・ブラン氏に好意的な投票結果―国民宮の集会と執行委員会―国民融和祭
      ―クレアモントのオルレアン一家―追放令―六月五日の補欠選挙
【憲法制定議会2】
第30章 ルイ=ナポレオン・ボナパルト皇子―臨時政府との初期の関係―皇子の選挙―皇子の承認をめぐる議論―民衆運動
【ルイ=ナポレオン・ボナパルト皇子】
第31章 民衆の精神状態―パリの不安―各県の騒動―国立作業場―ピエール・ルルー氏―ファルー氏―執行委員会令
      ―労働者たちの抗議―ピュジョル中尉とマリー氏―武装抵抗に決す
【六月蜂起前夜】
第32章 最初のバリケード―カヴェニャック将軍の軍事的措置―蜂起側の立場―最初の戦闘―ラモリシエール将軍の作戦
      ―機動憲兵隊―ブドー将軍の作戦―議会の審議―国立作業場解体に関するファルー氏の報告―二四日の審議
      ―執行委員会の失墜―カヴェニャック将軍、権力の長に任命―戒厳令下のパリ
【六月蜂起1】
第33章 カヴェニャック将軍の軍での声明―二四日の軍事作戦―市庁舎のデュヴィヴィエ将軍―パンテオンのダメーム将軍
      ―二五日の議会審議―議会、困窮労働者に三〇〇万フランの支出を承認―ラモリシエール将軍―ブレア将軍の死
      ―市庁舎周辺の戦闘―ネグリエ将軍の死―パリ大司教の死―サン=タントワーヌ街の砲撃と降伏
      ―国民議会、カヴェニャック将軍は十分祖国に貢献したと宣言
【六月蜂起2】

反 動
読者へ
初版への序文
フランス・一八四八年革命略年表(1847.7.10-1848.12.11)
人名索引

関連情報

諸国民の生命とは、かれらの運命は地球上で成就されるわけだが、その地球の生命それ自体と同様、永遠の変容以外のなにものでもない。この捉えがたい動力を、わたしたちは生命と呼んでいる。
それは、けっしてとどまることなく、社会に、形成と解体との同時作用を及ぼす。それが、自然全体に対してなすと同様に。しかもこの作用は、人間の自由が介入することによって、偶発事のような外観を呈しているにもかかわらず、不変の秩序のただなかで、神秘の諸法則に従っている。
これまでの諸革命は、社会の本性の激烈な危機であった。これらの革命は、あるときは、解体作用を、つまりある国民の凋落を、促進する以外のなにものでもない。またあるときは、形成作用を、つまり、この同じ国民のその固有の文明のうちでの進歩を、促進する以外のなにものでもない。

     ダニエル・ステルン

著者紹介

●ダニエル・ステルン(Daniel Stern)Marie, Comtesse d’Agoult
マリー・ドゥ・フラヴィニィは1805年、フランクフルトで誕生。母はベトマン家(ドイツのプロテスタント金融家)出身、父はカトリックでヴォルテール主義者の亡命貴族。1827年にダグー伯爵と結婚したが、伯爵のサロンには、当時の上流ブルジョワと若い世代のロマン派作家たちが足繁く訪れていた。1833年に作曲家フランツ・リストと出会い、二人の関係はスキャンダルに。3人の子どもが生まれ、その一人である娘コジマは、のちリヒャルト・ヴァーグナーと結婚する。リストと別れたのちにジャーナリストとして活動、1846年には小説『ネリダ』を発表。『自由試論』『共和国通信』紙上で「ダニエル・ステルン」のペンネームで執筆。その他の著書に『回想録』、『回顧録』がある。本書『一八四八年革命の歴史(Histoire de la Révolution de 1848)』は、1850年から53年にかけて出版された彼女の主著である。1876年にパリで死去。

【訳者】
●志賀亮一(しが・りょういち)
1947年生まれ。東京都立大学大学院人文研究科仏文専攻博士課程中退。京都橘大学(2005年共学化)名誉教授。フランス現代文学・女性史専攻。
主要訳書、M・ペロー編『女性史は可能か』、G・デュビィ+M・ペロー監修『女の歴史』(全5巻10分冊)、H・ヒラータ他編『読む事典・女性学』(以上監訳)G・デュビィ編『女のイマージュ』(共訳)、H・カレール=ダンコース『エカテリーナ二世』(上・下。いずれも藤原書店)など。

●杉村和子(すぎむら・かずこ)
1928年大連生まれ。1953年京都大学(旧制)文学部史学科(西洋史学専攻)卒業(その後旧制大学院廃止まで在籍)。大阪市立南高等学校教諭をへて、1979年橘女子大学助教授。京都橘女子大学教授をへて、1994年定年退職。2019年3月逝去。
主要訳書、A・コルバン『娼婦』、M・ペロー編『女性史は可能か』、G・デュビィ+M・ペロー監修『女の歴史』(全5巻10分冊)、H・ヒラータ他編『読む事典・女性学』(以上、監訳)、G・デュビィ編『女のイマージュ』(共訳。いずれも藤原書店)などがある。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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